ポスター発表3
保育者養成における保育者の身体性に対する理解に向けて
眞﨑雅子(華頂短期大学)
【背景】保育者に求められる身体性という課題は、保育者と子どもの信頼関係を構築する上で欠かせない基盤となる。ダンスセラピーの中核的概念の一つである身体的共感との関連も深い。そのため、保育者養成においては、実習前に保育実践の観察を通して保育者の身体性に対する理解を深めることが有意義であると考える。発表者は、これまで保育学生を対象にした調査を実施し、保育場面の「保育者と子どもの繋がり」に着目させた観察記録から、保育学生の主な視点カテゴリ―として、「スキンシップ」「共同」「身体掛け」等を抽出した。
【目的】本稿では、先行調査で得られた視点カテゴリ―に基づき、異なる保育場面動画の観察記録から保育学生の視点を確認し、保育者の身体性への認知を促す手立てを得ることを目的とする。
【方法】2022年4月、A大学の保育者・教員養成に関する授業において、2年生17名を対象に、B幼稚園の日常保育の映像を視聴させ、「映像の中の保育者が、子どもと繋がるためにどのようにかかわっているか」の教示に基づき、感じ取ったことの自由記述をさせた。17名の自由記述はそれぞれ意味のまとまりごとに分節化し、先行研究のカテゴリーに基づき分析した。
【結果と考察】保育者の身体に関する記述は主に5つのカテゴリーに分類され、『だっこ』などの記述は視点カテゴリ―の「スキンシップ」に、『一緒に』などは「共同」、『ゆらす』などは「身体掛け」、『怒ることなく』などは「見守り」、そして「声掛け」に該当した。一方、『だっこ』の記述に対し、『寄り添ってだっこしたり』や『強制的にだっこして』など捉え方の異なる記述が確認された。
これらの結果から、より客観的且つ詳細な観察視点を獲得するためには、保育者や子どもの動きの質に着目させたり、ダンスセラピーにおける運動分析を活用したりすることが有意義であると考えられ、身体性への認知を促す手立てが得られた。
スライドについて
スライドは、左下の矢印で移動できます。立て続けに移動するとページが表示されないので、間を開けてめくって下さい。スライド内容の複製は禁止です。
投稿について
大会参加者はどなたでも、質疑応答欄へのコメントの書き込みが可能です。発表者との間で、および参加者同士で、意見、質問、感想を交わしてください。投稿は、このページにアクセスした人全員が閲覧できる状態になります。一番上が最新の投稿です。
投稿した内容により、後ほど追加・修正をお願いすることがあります。書き込みは個人の責任で行ってください。
[gwolle_gb book_id=”post_id” button=”false”]