JADTA 第32回学術研究大会 公式サイト

ごあいさつ

第32回大会長  山田 美穂

第32回日本ダンス・セラピー協会学術研究大会へようこそ!

対面とオンラインを併用したハイブリッド形式で大会を開催でき、皆様をお迎えできることを、心から嬉しく思っています。対面開催は5年ぶりとなります。

今大会のテーマは「わたしのからだをいとおしむ」です。日々生活するために、ダンスセラピーを学び、実践するために、参加者(もしくはクライエント)と交流しはたらきかけるために、さらにそれを学術研究として伝えていくために。自分をからだごと愛すること、まるごとのからだで世界と関わることは、わたしたちのあらゆる営みの根幹にあります。

でも、実際わたしはそれができているだろうか?忙しさやらストレスやらの中で、自分のケアができているだろうか?…と振り返ると、正直なところあまり自信がありません。皆様はいかがでしょうか。そんなことをゆっくり感じたり考えたりする2日間になればと思います。

今大会では、実技発表(2会場同時使用)を除き、基本的に1会場で進行します。まさに「一堂に会す」ですね。初めての顔と顔、懐かしい顔と顔を合わせ(あるいは合わせずとも)、お互いのからだを通して何かを学びましょう。ちょっと疲れたら休みましょう。オンラインのみ参加の皆様も、掲示板等を通してぜひディスカッションをいたしましょう。

この数年のあいだ、開催形式を毎年のように大きく変化させながら、大会が運営されてきました。今回の大会準備の過程で何度も浮かび上がったのは、コロナ禍もあり、IT技術の発展もあり、学術研究の進展もあり…といった中で、私たちはどこを目指して進んでいったらいいんだろう?という問いでした。いろいろ考えつつ準備を進めつつ、たくさんの問いはぷかぷかと浮かんだままなのですが、これから、さまざな思いを認め合い、語り合い、歩を進める先を見出していくことが大事なのだろうということを強く感じます。今大会がその機会の一つになることを願います。

では、楽しくおだやかに、「わたしのからだをいとおしむ」時間をご一緒いたしましょう。

概要

日 時:2023年8月26日(土)・27日(日)
形 式:対面とオンライのハイブリッド開催
    (オンライン開催部分はオンデマンド方式です。
    ビデオ会議システムによるライブ配信はありません)

会 場:
 対 面:お茶の水女子大学(東京都文京区)
     (シンポジウム、ミニワークショップ、実技発表)
 オンライン:大会公式サイト特設ページ(参加者のみに通知)
     (ポスター発表。一部シンポジウムは録画後日公開)

大会会長:山田 美穂(お茶の水女子大学)
テーマ:わたしのからだをいとおしむ

お茶会(懇談会):26日(土)17時~18時
   (費用は当日分の大会参加費に含まれます)
理事会:8月21日(月)19:00〜 @Zoom
問合せ:大会事務局 taikai@jadta.org 
    ※件名に「大会問合せ」

プログラム

抄録集(ダウンロード・印刷可)

8月26日 (土) メイン会場:本館306室

12:15~開場/受付開始
12:45~13:00開会式大会長あいさつ 山田 美穂
13:00~13:30ミニワークショップ①こころとからだのセルフケア
葛西 俊治(札幌ダンスムーブメント・セラピー研究所/日本ダンス・セラピー協会会長)
13:30~15:30シンポジウム(一般公開)
「『The Moving Child』にみるこどものからだ」
話題提供:﨑山 ゆかり(武庫川女子大学)
     橋本 有子(お茶の水女子大学)
スペシャルゲスト:Hana Kamea Kemble(The Moving Child Films)
15:30~15:45休憩・移動 
15:45~16:45実技発表① 発表45分+質疑応答15分
WS-1A(メイン会場:本館306)
「日常における動きの共有~Dance Assembleアマカマ・ドゥメンバーと共に~」
安田 友紀(神戸女学院大学)・大窄 沙織(DanceAssembleアマカマ・ドゥ)
座長:平山 くみ(合同会社ワッカラボ/龍谷大学非常勤講師)
WS-1B(体育館ダンス室)
「退行と前進」
貴船 惠子(株式会社ダンス&コミュニケーション代表取締役 Core Ribbon Studio管理者 認定ダンスセラピスト)
座長:向出 章子(武庫川女子大学教育学部非常勤講師)
16:45~17:00休憩・移動
17:00~18:00お茶会

2日目 8月27日(日) メイン会場:共通講義棟1号館301室

9:30   ~開場/受付開始(共1-203)
10:00~10:30ミニワークショップ②こころとからだのセルフケア
平山くみ(合同会社ワッカラボ/龍谷大学非常勤講師)
10:30~12:00大会参加者限定シンポジウム①
「ダンスセラピーの臨床における倫理」
話題提供:横川 明子(Lesley University)
     荒川 香代子(ボディ・マインド・アーツセンター)
     神宮 京子(群馬病院)
進  行:﨑山 ゆかり(武庫川女子大学)
12:00~12:50総会/昼休み (総会では審議事項の評決等がありますので、会員の方は昼食をご用意の上ご参加ください。非会員の方は、休憩室(共1-203)を昼食会場としてご利用いただけます)
12:50~13:00休憩・移動
13:00~14:00実技発表② 発表45分+質疑応答15分
WS-2A(共1-203)
「日々を健やかにすごすために―介護予防ダンスを体験しよう」
浦江 千幸(BTRD)
座長:北島 順子(大手前短期大学)
WS-2B(体育館ダンス室)
「ダンス・セラピー初学者におけるコリーダーシップの活用」
堀口 泰平・安藤 知織・大澤 音々・櫻庭 明日香・高橋 悠也・橋本 佳苗・平野 耕太・眞野 孝太・鍛冶 美幸(文教大学大学院)
座長:神宮 京子(群馬病院)
14:00~14:10休憩・移動
14:10~15:40大会参加者限定シンポジウム②
「からだでまなぶ〇〇実践:ダンス/ムーブメントが育むコンピテンシー」
話題提供:大沼 小雪(東京有明医療大学名誉教授)
     大橋 さつき(和光大学)
     鍛冶 美幸(文教大学)
     八木 ありさ(日本女子体育大学)
進  行:山田 美穂(お茶の水女子大学)
15:40~16:10ミニワークショップ③こころとからだのセルフケア
橋本 有子(お茶の水女子大学)
16:10~16:30閉会式

シンポジウム・ミニワークショップ詳細

一般公開シンポジウム(一般公開シンポジウムのみ参加の場合は無料)

8月26日(土)13:30~15:30  

「『The Moving Child』にみるこどものからだ」

 カナダのダンスセラピストであるHana Kamea Kemble氏制作の教育映画「The Moving Child」(全3巻)を取り上げます。2023年5月に日本語字幕版が発売されました。こどもの育ちにとって動くことがいかに大切であるか、日本語字幕版の監修者がそれぞれの視点から話題提供を行い、制作者からのメッセージもご紹介します。作品に登場する経験豊かなダンスセラピストたちが織り成す多様なアプローチと共に、その動きの意味を考えていきましょう。

話題提供:﨑山 ゆかり(武庫川女子大学) 
     橋本 有子(お茶の水女子大学)
スペシャルゲスト:Hana Kamea Kemble(The Moving Child Films)

大会参加者限定シンポジウム1 

8月27日(日)10:30~12:00  

「ダンスセラピーの臨床における倫理」

 このシンポジウムは国際委員会の初の大会企画として、ダンスセラピーの臨床における倫理に焦点を当て、参加者の皆さまと共に考え続ける契機となることを願っています。前半は現在Lesley大学で倫理の授業を担当し、日米で臨床経験のある横川明子さんより、ダンスセラピストとして倫理をどのようにとらえるかについて問題提起します。後半は参加者の皆さまと意見交換しながら、日本の臨床においてはどうなのか、自分自身の身体の倫理はどうなのかなど、探ってみたいと考えています。奮ってご参加ください。

話題提供:横川 明子(Lesley University) 
     荒川 香代子(ボディ・マインド・アーツセンター) 
     神宮 京子(群馬病院)
進  行:﨑山 ゆかり(武庫川女子大学) 

大会参加者限定シンポジウム2 

8月27日(日)14:10~15:40

「からだでまなぶ〇〇実践:ダンス/ムーブメントが育むコンピテンシー」

 ダンスセラピーは自分を知る、相手を知る、自分を癒す、人とかかわる営みです。ダンスセラピーというホリスティックで体験的なアプローチには、たくさんの実践知が凝縮されています。

その理論や技法は、実に様々な領域で、様々な形で、活用できるものです。たとえば、ことばでのコミュニケーションが難しい場面で、心身の障害のある方々とかかわろうとする場面で、クリエイティブな表現を模索していきたい場面で。一見「ダンス」や「セラピー」とは関係なさそうな領域であっても、そこに私たちの「からだ」と「こころ」があるなら、ダンスセラピーの実践知を活用できる可能性がある、というのは言い過ぎでしょうか。

ただ、実践知を活用するには、からだで学ぶトレーニングを繰り返すことが不可欠です。たとえば、「ミラーリング」という技法は、相手の全身をこまやかに観察すること、その表情や動作を共に味わうこと、その時に自分に生じる感覚や感情に気づくこと、それらを丁寧に伝え返すこと、そして何より温かく安全な関係を作っていくこと…という、一連の繊細なスキルによって成り立っています。

どうすればこのスキルを、知識として頭で覚えるだけでなく、「身につける」ことができるでしょうか?さまざまな実践の現場で「体現する」ことができるでしょうか?それを教える方法を集積して、広く伝えていくことができたら、ダンスセラピーの面白さがもっと様々な領域で活かされ、社会的・学問的にも貢献していけるのではないでしょうか?

本シンポジウムでは、大学生への教育に焦点を当てて、ダンスセラピーを活用した教育実践について紹介していただきます。大学という「からだ」が軽視されがちな場所で、「ダンスセラピーって何?」という初心者が、生き生きと「からだで学ぶ」ためのたくさんの工夫、体験談、苦労話(?)から学び、語り合いましょう。

話題提供:大沼 小雪(東京有明医療大学名誉教授) 看護学・臨床心理学領域での活用
     大橋 さつき(和光大学) 教養教育における活用
     鍛冶 美幸(文教大学) 臨床心理学領域での活用
     八木 ありさ(日本女子体育大学) 舞踊学・社会福祉学領域での活用
進  行:山田 美穂(お茶の水女子大学)

ミニワークショップ

「こころとからだのセルフケア」

 ダンスセラピーをベースとしたセルフケアのワークを紹介するコーナーです。一人でできる技法を体験し、からだをほぐし、リラックスして大会に参加しましょう。

1.8月26日(土)13:00~13:30 メイン会場(本館306室)

葛西 俊治(札幌ダンスムーブメント・セラピー研究所/当協会会長)

第32回目の年次大会が対面で開催され、たいへん嬉しく思います。
コロナ禍の厳しい時期を経て、ここまでたどり着いたことを共に味わう機会を得て、大会実行委員会の皆様ならびにお力をお借りした方々に心から感謝申し上げる次第です。

◯ミニワーク
20数年続けている精神科デイケアでのダンスセラピーでは、「からだが温まる・関係が温まる・心が温まる」ということを少しずつ進めています。そして、そこの音楽療法プログラムとかぶらないよう、音楽は使わず、また「心身に焦点化する」ために小道具を使わない方法を、個人的に「純粋ダンスセラピー」と呼んで実践しています。まあ、そんなに頑張るほどでもありませんが、音に向かわない分、自分のからだのあり方や周囲にエネルギーが向く良さも感じています。今回はダンス未然の動き・ムーブメントを中心にして、周囲や自分自身への気づきを探りたいと思います。なごやかにおつきあい頂ければ幸いです。

2.8月27日(日)10:00~10:30 メイン会場(共1-301)

平山 くみ(合同会社ワッカラボ/龍谷大学非常勤講師)

テーマ:自分とコミュニケーションをとる
皆さんは、ダンスムーヴメントセラピー(DMT)に出会い、なぜ学ぶという行動を起こしたのでしょうか。踊ることが好き。踊るのは結構苦手だけれど興味がある。観ていて知りたくなった…。などなど、それぞれに理由があるはずです。人類は踊ることでコミュニケーションを育み、社会を培ってきました。今回はコンテンポラリーダンスの即興手法を取り入れ「自分とコミュニケーションをとる」を試みます。自身が培ってきた身体の動き、動きから誘発される自分だけのリズムを通し、DMTと出会った時の「!」を再確認することができれば幸いです。

3.8月27日(日)15:40~16:10 メイン会場(共1-301)

橋本 有子(お茶の水女子大学)
ラバン/バーテニエフ・ムーヴメント・スタディーズ/システム(LBMS)の「6つの動きのつながり」のコンセプトを用いて,橋本が考案したダンスを紹介します。このダンスは,子どもたちがアクティヴィティに取り組む前のからだとこころ全体の準備体操として,2016年に考案されました。一般公開シンポジウムで取り上げられる教育映画「The Moving Child」の,第3巻「生後一年間における発達ムーブメント」とも重なる「6つの動きのつながり」は,生後約一年間で獲得していくといわれ,日常生活やスポーツにおけるさまざまな動きの土台になります。私たち大人も,感じながら考えながらこの一連の動きを経験することで,身体の内側のつながりを感じたり,動くという意味での初心に戻れたりするでしょう。当日は,ギタリスト渥美幸裕氏が作曲・演奏した心地のよい音楽とともに,一緒に踊れることを楽しみにしています。

抄録

ポスター発表

  • ポスターは大会参加者専用ページに掲示します
  • 同ページの掲示板にて質疑応答を行うことができます。是非ご活用ください。
P-1
「COVID-19による都市ロックダウン環境下におけるKMPを応用した発達支援の試みと今後の課題」
﨑山ゆかり(武庫川女子大学短期大学部幼児教育学科)

 本研究では、コロナ禍におけるオンラインによるKMPを応用した海外での発達支援の試みの流れを振り返り、その意義について検討する。尚、本発表では事例検討は行わない。

 支援の期間は、2020年4月~2023年3月の3年間、対象は、タイ都市部で非言語コミュニケーションを指導する主催者が運営するSmart Parentingと称するオンラインコースを受講した延べ75人の保護者中25人であった。

 保護者自身が、携帯電話で撮影したこども(4ヶ月~小学生)の日常の様子の映像を提出

し、主催者と﨑山がそれぞれにコード化し、Zoomを通して結果を共有し検討した。そのうえで、﨑山がデータをまとめ、結果に基づく助言をコメントシートとして作成した。これに基づき、主催者が保護者とZoomによるオンライン面談を行い、具体的な子育てのアドバイスを行った。

 ロックダウンによって家族以外に接する機会を失う中で、初めての子育てに取り組む保護者にとって、「これでいいのか」という漠然と抱える不安があった。この試みでは、具体的なデータを示しながら、その結果について説明することにより、日ごろ子育ての中で感じてきたこととの一致や気づかなかった点の指摘などを通じて、保護者の支援ができたと受け止めている。さらに、現在も保護者との関係は続き、折にふれ成長の報告がなされている。こうした関係性の継続も、「いつでも相談できる」という保護者の安心感につながっていったと思われる。

 今回用いた分析法は、従来のKMPとは異なるアプローチの項目もあり、これまでその妥当性についても検討を重ねてきた(﨑山2020,2021)。オンラインによる活動は場所を問わないため、今後は新たに異なる文化圏においても試みていきたい。

 なお、今回の発表について、主催者より同意を得ている。

P-2
「関係構図が他者の表現ポーズ認知に及ぼす作用」
成瀬九美(奈良女子大学)

 対面、背面、横並びなどの二者の位置関係は、対人援助の場で状況に沿った構図が選択され関係性を促進する。二者構図が他者動作の認知に及ぼす作用を実験的に検討した。立位を含む4種類の表現ポーズを、正面または背面から左右45°向きを変えた4角度と組み合わせて刺激画像を作成した。研究趣旨を説明し同意を得た協力者が実験に参加した。対面提示の力動性(静かな)や空間性(狭い)の印象評価は背面提示時より有意に高かった。背面提示時の弾力性(やわらかい)の印象評価は対面より有意に高く、時間経過の過大評価が認められた。両構図が異なる作用をもたらすことが示唆された。

P-3 
「保育者養成における保育者の身体性に対する理解に向けて」
眞﨑雅子(華頂短期大学)

【背景】保育者に求められる身体性という課題は、保育者と子どもの信頼関係を構築する上で欠かせない基盤となる。ダンスセラピーの中核的概念の一つである身体的共感との関連も深い。そのため、保育者養成においては、実習前に保育実践の観察を通して保育者の身体性に対する理解を深めることが有意義であると考える。発表者は、これまで保育学生を対象にした調査を実施し、保育場面の「保育者と子どもの繋がり」に着目させた観察記録から、保育学生の主な視点カテゴリ―として、「スキンシップ」「共同」「身体掛け」等を抽出した。

【目的】本稿では、先行調査で得られた視点カテゴリ―に基づき、異なる保育場面動画の観察記録から保育学生の視点を確認し、保育者の身体性への認知を促す手立てを得ることを目的とする。

【方法】2022年4月、A大学の保育者・教員養成に関する授業において、2年生17名を対象に、B幼稚園の日常保育の映像を視聴させ、「映像の中の保育者が、子どもと繋がるためにどのようにかかわっているか」の教示に基づき、感じ取ったことの自由記述をさせた。17名の自由記述はそれぞれ意味のまとまりごとに分節化し、先行研究のカテゴリーに基づき分析した。

【結果と考察】保育者の身体に関する記述は主に5つのカテゴリーに分類され、『だっこ』などの記述は視点カテゴリ―の「スキンシップ」に、『一緒に』などは「共同」、『ゆらす』などは「身体掛け」、『怒ることなく』などは「見守り」、そして「声掛け」に該当した。一方、『だっこ』の記述に対し、『寄り添ってだっこしたり』や『強制的にだっこして』など捉え方の異なる記述が確認された。

これらの結果から、より客観的且つ詳細な観察視点を獲得するためには、保育者や子どもの動きの質に着目させたり、ダンスセラピーにおける運動分析を活用したりすることが有意義であると考えられ、身体性への認知を促す手立てが得られた。

実技発表

WS-1A
8月26日(土)15:45~16:45 メイン会場(本館306)
「日常における動きの共有~Dance Assembleアマカマ・ドゥメンバーと共に~」
安田 友紀(神戸女学院大学)・大窄 沙織(DanceAssembleアマカマ・ドゥ)

【発表の目的・意義】
2005年より活動を継続しているDance Assembleアマカマ・ドゥ(以下、アマカマ)にて実践しているワークについて、アマカマメンバーの1人と共に実技発表を行う。アマカマは6名のメンバー(発達障害、ダウン症候群等)で構成されており、月に2~3回の活動を行っている。即興を主としたダンス活動を継続しており、1年に1つの作品を創作している。

アマカマ活動当初、中高校生であったメンバーは成人期に入り、メンバー各々の体調等を含めた個人差をより尊重できればと、試行錯誤が続いている。約18年間の活動を続けるメンバーの発表を通して、動くことや表現することの意義について、参加者の皆様と多様なご意見を共有したいと考える。

【発表の構成】
実技発表の構成は、Ⅰ.ウォーミングアップ(約10分)、Ⅱ.動きの共有(約25分)、Ⅲ.クールダウン(約10分)とする。まず、Ⅰ.ウォーミングアップとして手拍子や各身体部位のストレッチを行う。Ⅱ.動きの共有においては、以下の5つの動き「①上を向く・下を向く」「②手を上げる・下げる」「③歩く(前後)」「④座る・立つ」「⑤止まる」を主とする。これらの動きを「身体の方向」「身体の高さ」「動きの速さ」「動きの強弱」という4つのKey Wordをあげて探求する。その際、「自身のタイミングで動くこと」、「①~⑤いずれの動きを行ってもよい」、「①~⑤以外の動きをおこなってもよい」という3点を確認の上、音楽を聴きながら動く。その後、まとめとしてⅢ.クールダウンを行う。

【当日の発表における留意事項】

運動の強度は約3.0~4.0MET(活動例:ウォーキングやラジオ体操)を目安とする。また、身体接触に関しては、Ⅰウォーミングアップにて「他者との手合わせ」を予定している。体調等、ご自身の無理のない範囲においてご参加頂きたい。

WS-1B
8月26日(土)15:45~16:45 体育館1Fダンス室
「退行と前進」
貴船惠子(株式会社ダンス&コミュニケーション代表取締役 Core Ribbon Studio管理者 認定ダンスセラピスト)

赤ちゃんのハイハイは身体運動能力を高めて、協応動作にも関与する事や、脳の発達にも影響すると聞いたことがあるでしょう。それらを獲得した後に掴まり立ちし、二足歩行をするようになります。しかし長年二足歩行をしていると、獲得したものが失われていく現実があります。だからバランスが崩れるのだと、改めて四つ足になり動くと驚きます。

 精神も同じで、昔はできたのに、今は気持ちがその事象を乗り越えられない事も出てきます。

 一度四つ足になり退行し、自分の中で過去を振り返りながら、改めて二足歩行をしてみましょう。そこにはこれからの前進が見えるかもしれません。

WS-2A
8月27日(日)13:00~14:00 共通講義棟1号館203室(共1-203)
「日々を健やかにすごすために―介護予防ダンスを体験しよう」
浦江千幸(BTRD)

私は1978年に日本初の車イスレクダンスを開発し、86年には座位のダンスを開発。その後福祉レクダンスの名前で日本全国に普及していきました。これまでダンス・セラピー協会の大会でもこれらの成果を発表してまいりました。

さて日本では90年代から高齢化時代にはいりました。それに対する施策が各方面で行われるようになりました。健やかな体を持ち、いつまでも活動的でいられることは多くの方が望んでいることです。そしてそのために介護予防の重要性が説かれてきました。

今回は、その目的のために開発された介護予防・認知症予防のダンスを体験・習得するセッションを行います。講義の後、座位での実技を行います。①リズムによって動き、感情が変わっていくこと②歌・足踏みなどを加えることによる介護予防効果-コグニサイズを取り入れて③座位での身体運動の強化④コミュニケーション効果をはかるプログラムという内容の実技を行います。

それに加え、今回はコロナの中の生活で悪化した、生活の質を向上するプログラムなどもご紹介します。

高齢者や介護予防のセッションですので身体運動の強度は強くありません。また実際は身体接触-主に手をつなぐ等があるのですがコロナ以降においてはしておりません。今回もその予定です。 

以上のようなことを皆様に体験し、考察し、評価していただきたいとおもっております。ぜひご参加ください。

WS-2B 
8月27日(日)13:00~14:00 体育館1Fダンス室
「ダンス・セラピー初学者におけるコリーダーシップの活用」
堀口泰平・安藤知織・大澤音々・櫻庭明日香・高橋悠也・橋本佳苗・平野耕太・眞野孝太・鍛冶美幸(文教大学大学院)

医療や教育、福祉の場で対人支援を行う心理職には、言語のみならず非言語的なコミュニケーションにも注目し、それを効果的に活用することが求められている。

我々の大学では2022年度より、公認心理師・臨床心理士を目指す大学院臨床心理学専攻における授業の一環としてダンス・セラピーが導入された。授業は講義と実技で構成され、履修者は実際に体を動かしながら、グループ・セッションや、オーセンティック・ムーブメントといったクライエント体験を行った。さらに、動作のミラーリングや振り付け方、イメージの使用、言語的介入等、実際にセラピストとしてセッションを実施するための基本技法の指導を受けた。こうした学びは、心理職に必要とされる非言語的な表現や体験の理解を深めるものであった。そして履修した学生の多くがダンス・セラピーの実践に関心を持ち、今後各自の臨床実践に取り入れていきたいと考えるようになった。

しかし集団力動の把握に努めながら個々の参加者の身体表現にも目を向けて動作の振り付けを行い、さらに言語的介入も要するダンス・セラピーの実践には、長期的な訓練が必要であると感じた。そこで指導に当たった教員と相談し、複数のセラピストが協力してグループを運営するコリーダーシップを積極的に導入したセッションを試みた。集団精神療法において、コリーダーシップは多様な参加者のニーズをくみ取りながら、安全且つ効果的にセッションを運営する上で有効だとされている(Yalom,1989,小谷,2014)。初学者である我々でもこの方法を用いることで、各自の強みを生かしながらグループを運営する体験ができた。

発表では皆様にもご参加いただきながら、チェイス派の基本技法に基づく、コリーダーシップを導入した初学者によるセッションを紹介したい。セッションでは、部分的な身体接触が伴う中程度の身体運動を予定している。さらにフロアの皆様と一緒にこうした取り組みの意義について検討したい。

演題申込み

実技発表:募集終了しました
ポスター発表:募集終了しました

抄録(800字)を作成し、大会公式サイトの演題申込みフォームからお申込みください。
研究発表に関連して提出された個人情報や倫理チェック用の資料等は、大会実行委員会で管理し、第三者に提供されたり、他の目的で使用されたりすることはありません。

■ 実技発表

対面大会会場にて発表   1枠60分(実技45分+シェアリング15分)

■ ポスター発表

プレゼンテーション資料を大会公式サイトにPDFファイルで掲載し、掲示板にて質疑応答
掲示期間:8月22日~8月31日

発表者は共同発表者を含め、全員JADTA会員であること。
採択の連絡後は、速やかに共同縁者も含め大会参加申込みと参加費納入をお願い致します。

演題募集 〆切 6月15日 終了しました。

発表までのスケジュール

発表申し込み6月15日〆切→ 事務局より発表申し込み確認メール
→ 事務局より必要があれば抄録修正依頼①
プログラム・抄録公開大会公式サイト
7月15日
発表資料提出7月31日 〆切 taikai@jadta.org宛に、「件題:【演題発表】お名前」として送信
実技発表:当日使用する配布資料・動画・楽曲等
ポスター発表:大会公式サイトに掲載する資料(スライド形式:上限15枚)
→ 事務局より発表資料受付確認メール
→事務局より必要あれば発表資料修正依頼②
大会参加費納入8月15日 〆切
発表資料修正完了8月18日
ポスター公開8月22日〜31日

参加申込み

参加方法 

① 対面大会

会場での対面形式とオンライン参加の全てに参加できます。

② オンライン参加

ポスター発表閲覧、シンポジウム録画視聴(後日)ができます。
本大会ではポスター発表を当サイト上で行います。JADTAのHPにアクセスできるネット環境下でご参加ください。8月22日~8月31日の期間中、ポスターが当サイトのポスター発表用特設ページにアップされますので、お好きな時間に閲覧し、掲示板上でディスカッションを行っていただくことができます。
今回は、Web会議システムZoomを用いたライブ形式でのセッションは行いません。
大会終了後、シンポジウム録画の掲載(大会参加者のみ限定公開)も予定しています。詳細は後日お知らせします。

③ 一般公開シンポジウム参加

一日目の会場での一般公開シンポジウムのみ参加できます。誰でも無料で参加できますが、事前申し込みが必要です。

参加申込み方法 

  •  下の申し込みフォームよりお申し込みください。入金のみ行い、フォームでのお申込みがない場合、事務局からご連絡することができません。一旦入金された参加費の返金はできませんので、ご注意ください。
  • 申込みフォーム送信後、できるだけ一週間以内のご入金をお願いします。
  • 事務局にて本申込みフォームへの回答とご入金を確認でき次第、お申込み完了のご連絡をいたします。1~2週間程度要する場合がありますのでご了承ください。
  • 領収書はWEB上で発行いたしますので、ダウンロードしてご利用ください。紙媒体の発行・発送はいたしません。領収書の発行をもって、大会参加費の納入完了とさせていただきます。
  • 理由にかかわらず、入金済の参加費の返金には対応できませんので、何卒ご了承ください。

大会参加事前申込み期限:2023年8月15日(火)

8月16日以降は当日料金(大会当日に会場で現金払い)となります。

参加費

入金後の返金はできません

対面大会事前申込 (注)当日料金 (注)
両日参加一日参加両日参加一日参加
会員8,000円5,000円10,000円6,000円
非会員10,000円6,000円12,000円7,000円
学生3,000円2,000円5,000円3,000円
オンライン参加のみ ※8/15までに銀行振込一律 1,000円
一般公開シンポジウム参加のみ 無料

(注意)事前申込: 8/15までに銀行振込(対面/オンライン共に)
    当日料金: 会場現金払いのみ

振込先

振込先はゆうちょ銀行です。下記①②のいずれかの方法でお振込み下さい。
振込完了をもって参加申込みの受理となります。振込手数料はご負担ください。
※ 以下の振込口座は大会参加費専用の口座です。協会年会費の振込口座とは異なりますのでご注意ください。

《郵便局から郵便振込 》
【記号 – 番号】 14030 – 72565481
【口座名】 日本ダンス・セラピー協会

《他金融機関から振込》
【銀行名】ゆうちょ銀行 四〇八支店 (ヨンゼロハチシテン)
【口座番号】(普) 7256548
【口座名】日本ダンス・セラピー協会

アクセス

お茶の水女子大学 共通講義棟1号館
東京都文京区大塚2-1-1

  • 東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅より徒歩7分
  • 東京メトロ有楽町線「護国寺」駅より徒歩8分
  • 都営バス「大塚2丁目」停留所下車徒歩1分

お茶の水女子大学交通アクセス・キャンパスマップ

研究発表・大会参加に関する諸注意

 大会参加の際には、以下の項目を遵守するようお願いいたします。

① 参加資格

大会参加申込をしていない人が大会会場(対面・オンラインいずれも)に入場することはできません。参加に必要な情報を第三者に知らせないようにしてください。 

② 個人情報保護

JADTAの学術研究大会では、個人情報保護法案のもと、発表者・参加者共に、自由な写真撮影や録画、生配信、研修情報のダウンロードなどを禁止しています。また期間限定で公開される研究情報にも著作権が発生します。データについての引用や、今後の研究に必要がある場合は、期間中に発表演者にご相談をお願いします。

③ 新型コロナ対策

対面大会における新型コロナウイルス感染症対策として、来場前にはご自身で体温を測り、感染の可能性がある場合は大会本部に連絡の上、来場しないようにしてください。また、会場でも体温を計測させていただきます。37.5度以上の発熱があった場合には入場をお断りします。発表者の場合、発表は中止とします。

JADTA第32回大会実行委員会

スタッフ

大会長 :山田美穂
実行委員:北島順子・﨑山ゆかり・中めぐみ・橋本有子・平山くみ・星野仁・向出章子・安田友紀・石丸径一郎・髙橋哲・平野真理・砂川芽吹
学生実行委員:新垣有貴・加藤碧子・最首優希

個人情報の扱い

大会への参加申し込みや演題申し込み時に入力した個人情報は大会実行委員会が保管し、当協会以外の外部に漏洩することのないように厳重に管理致します。また実行委員会メンバーが必要最低限の写真撮影・録画を行い、個人を特定できない形で会報及び協会公式サイトに掲載する場合があります。

問合せ



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