2026年3月2日
日本ダンス・セラピー協会
会長 葛西俊治
前回の交流会は盛況のうちに終えることができました。ありがとうございました。
次回の「トーク交流」オンライン・ミーティングを、下記の要領で実施いたします。会員の皆さまにはぜひご参加いただけますよう、お誘い申し上げます。
日 時:3月19日(木)20時〜21時
会 場:Zoom(URLは開催数日前にメルマガでお知らせします)
参加者:会員のみ
司 会:北翔大学 増山尚美
主 催:協会会長 葛西俊治
問合せ:執行部 ![]()
報告
3月24日
司会 増山尚美
年度最後のトーク交流にはジャカルタからの参加を含めて10名が集まり、和やかな雰囲気の中で意見交換が行われました。今回は「回想法」をきっかけに、さまざまな話題へと広がっていきました。
● 回想法※
デイサービスでは男性が「ダンス」を拒みがちな一方、野球など人生で馴染みのある動きは受け入れやすいという経験談が共有されました。回想法は絵や言葉だけでなく、“動き”からも広がるという視点のもと、花見をテーマにうまくいかなかったエピソードや、千鳥足の「お花見ダンス」で盛り上がった話など、実際の現場の工夫※も紹介されました。また、声と動きを合わせる方法も紹介され、自然と皆が万歳している場面もありました。発語や活舌の話題も広がり、実際に「イ」の活舌練習を試すひと幕もありました。
● 演じること
ある精神科病棟で大野芳義先生が行っていた「ファッションショー※」の取り組みが紹介され、「病室 → 華やかな場 → 病室に戻る」という流れそのものに意味があるという印象的なお話がありました。スカーフを巻く、仮面や化粧といったテーマによる“役を演じること”の力についても共有されました。
● 手の形
簡単な制約(例えば両手の親指の先をつけたままいろんな動きをする)を伴う手の動きが紹介され、画面越しに全員が同時に動かし始める楽しい一幕も。真似し合うことで教える側と教わる側が入れ替わり、自然と立場や視点が変わる体験になることが話題になりました。また制約のある中で動きを探る舞踏の手法など、興味深い話もありました。
● 3分間ショートムービー
ダンスセラピーのイメージをつかみやすくするため、短い動画でさまざまなアイデアを共有できればという提案があり、参加者からも期待の声があがりました。
● 研究のお話
博士論文審査を終えたばかりの参加者からは、効果を検証する方法や、多くの被験者を集める工夫など、研究に関わる質問に丁寧に答えていただきました。論文については、改めて紹介いただける機会を楽しみにしています。
※編集部注
回想法:
過去の思い出を語り合うことを通じて、自己肯定感の回復や抑うつの軽減、認知機能の活性化を図る心理療法的アプローチ。高齢者や認知症の方、喪失体験を抱える方などを主な対象とし、人生の意味や統合感の獲得(エリクソンの自我統合)の支援を目指す。
身体回想法は「身体もまた記憶を持つ」という考えに基づき、昔なじみの動作やリズムを通じて過去の経験にアクセスする。言語化が難しい記憶や感情の統合を促せる。(例:手を振る動きから一升瓶のお米を突く動作、あんこを煮る動作などが想起される)
現場の工夫:
- 「花見」がテーマの時→「酔っ払いダンス」とか「千鳥足ダンス」をすると盛り上がる。特に男性陣はノリノリになりやすい
- ボソボソ発言する人→滑舌の練習として「い」の口の形を作り「一里二里七里 一日にぎりぎり七里行った」と繰り返す
- 輪の真ん中に一人入って、なんでもいいから(朝何を食べたとか)みんなで万歳三唱をすると盛り上がる。自分が何か立派なことをしたような気になる
ファッションショー:
参加者が輪になり、一人ずつまん中に出る。自分の理想や今の気分を映し出した「透明な衣装」を自由に想像し、その服にふさわしい姿勢や歩き方を体感する。周りの参加者は拍手や歓声を送る。布などの小道具を使うこともある。ダンスセラピーだけではなく心理劇や表現アートセラピーでもよく使われる。
心理劇とダンスセラピーの出会い:
1940年代に米国の聖エリザベス病院で、心理劇の祖のJ.L.モレノと米国ダンスセラピーの祖のマリアン・チェイスが同時期に活動していた。二人は互いを尊重しあい、技法や考え方の交流を通じてそれぞれの技法の発展の基礎を築いた
