当協会とご縁の深かった舞踏家 大野慶人先生が、1月8日に亡くなられました。81歳でした。ここに謹んでお悔やみ申し上げます。
会の皆様からすぐにご一報をいただきましたので、下記に掲載いたします(順不同、 ニュースレター135号 に掲載済み)。
同136号で、大野先生の追悼特集を組む予定です。掲載ご希望の方は、原稿(2000字以内)を3月7日までに編集部までお寄せ下さい。
なお、当初3月末日までとご案内いたしましたが、136号の発行が早まったため繰り上げさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
大野慶人先生 追悼
大野先生はJADTAの大会や研修講座でもご講演・実技をして下さり、深い哲学、日本の文化に根差した理論を温かく、ユーモアを交えて語り、踊り、私たちに多くの教えを残して下さいました。今でもくっきりと瞼に浮かぶほど、印象深いまなざしと踊りでした。大野先生を慕う人は世界中にいたことと思いますが、日本のダンスセラピーにも多大なる影響を与えた先生でした。本当に残念でなりません。ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
大沼小雪
今、ミュンヘンにおります。これから帰国します。
2014年、ミュンヘンの中心地で慶人先生のワークショップと講演があり 私も雑事のお手伝いしました。昼は奥様、お嬢様と市内観光をした思い出の多い街です。昨日は先生がビデオ映像講演されたミュンヘン大学の校舎の前を通りました、先生が緊張されながら一つ一つ メディアの質問に答えて舞踏を解説されていた時間がついこの間のことのように思われ、懐かしさと心の痛みがこみ上げてきました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。
永井順子
土方巽、元藤燁子、大野一雄・慶人さん…。一昨年は和栗由紀夫と、舞踏の初期世代が失われていきます。時代はそれなりに進むのだと感慨があります。
慶人さんのご冥福を祈りつつ。
葛西俊治
大野慶人先生には私たちの協会の大会や講習会でたびたびお世話になりました。協会の会員や役員ではありませんが、大変お世話になった特別な方でした。ここに謹んでお悔やみ申し上げます。
町田章一
大野慶人先生の訃報を9日の新聞で見た時は、一瞬信じられなくてもう一度心を落ち着けて読み直しました。
先生がご病気でいらしたことは少しも存じませんでしたので、ほんとうにショックを受けました。
初めて先生の講習会に参加した時のティッシュを優しくつまんで空中に放つ動きは今でも鮮明に思い出せます。空気の流れに浮かぶティッシュをなぞるような先生の優しく繊細な動きが印象的でした。
先生を一層身近に感じたのは第41回日本芸術療法学会(2009年)の講演会でした。先生のお話しはやっぱり優しく爽やかでした。日本人の動作やしぐさのお話の中で興福寺の阿修羅像の姿を「決して掌がピタッと合わされていなくて、ふんわりとほのかに隙間がある豊かな祈りの姿です」と言いながらその祈りのしぐさをされました。日本人の表現の原点を身体の形や動作から探り深め、声高ではない静けさを伴う動きであることを私たちに伝えてくださいました。
控室での先生は結構賑やかで楽しく、先生の悪戯っぽい笑顔に最も親しみを感じたことでした。
先生を失ったことは舞踏という日本の身体文化の体現者を失ったことになります。教えて頂くことがもっと沢山あったと思うと、とても悲しく残念です。
心よりご冥福をお祈りいたします。
2020年1月 奈良 平井タカネ
編集部より
今回はニュースレター第135号の編集に間に合わず、短報のみとなりました。次の第136号(4月末発行予定)で、改めて大野先生の追悼特集を組む予定です。
掲載ご希望の方は、原稿(2000字以内)を3月末までに編集部にお寄せ下さい。