更新情報
特設サイト(参加者限定)を限定公開しました
参加申込をされた方に、閲覧のためのメールを配信しました(11月1日)
トークセッション②に渡辺明日香先生を追加しました(10月10日)
発表形式とプログラムを変更し、参加受付を再開しました(10月8日)
第33回学術研究大会ご案内
第33回JADTA学術研究大会
大会長 増山尚美
第33回日本ダンス・セラピー協会学術研究大会を、北海道札幌の地で開催する運びとなりました。前回の東京大会に引き続き対面で実施します。
コロナ禍においては移動や面会の制限、外食やコンサート等の自粛、休校やリモートワークという特異な状況下で、インターネットを介するコミュニケーション手段が一気に普及しました。同時に、生身の人と人とが関わることでしか為されないものがあることも実感させられました。
踊ったり動いたりすることで日常を超える体験(究極には至高体験)につながるというダンスの力と、安全・安心であるところから関係が生まれてくるというダンスセラピーの本質から、大会テーマを「ダンスセラピー〈関わり〉の始まるとき 〜リアルにこだわる〜」としました。AIやサイバー空間が前提になりつつある社会において、リアルに関わる意義も考えたいと思います。
協会は理論と実践を両輪に社会的認知を得て発展してきました。この大会ではより多くの人がダンスセラピーに触れる機会を持てるよう、専門家や研究者のみならず、学びの途中の方も関心を持ちはじめた方も参加しやすい大会にしたいと考えています。いま・ここで出会う参加者どうしの交流と体験を中心としたプログラムを用意しました。従来の実技発表、ポスター発表に加え、新しい試みとして「技法交流」を行います。それぞれの方が実践してこられた多様なダンスセラピーに触れ、活動の場が広がることを願っています。
例年より遅い開催時期となります。初冬の北海道ではありますが暖かくお迎えしたいと思っています。皆様のご参加を心よりお待ちしています。
緊急のお知らせ:実施形態変更について
2024年10月2日
第33回大会 大会長 増山尚美
かねて対面のみで実施するとお伝えしていましたが、不測の事態によりオンラインとオンデマンド形式に変更させていただきます。開催日程がアイドルグループのコンサートと重なり、宿泊及び交通に多大な支障が出ることが判明しました。安全面からも、対面での開催は難しいということになりました。
札幌での参加を予定されていた方々にはご迷惑をおかけしますことをお詫び申し上げます。
改めてオンライン・オンデマンドによるプログラムを公開いたしました(10月8日)。参加費と申込方法、申込期日についても変更になっています。
皆様のご参加を心より願っています。
大会概要
日 時:2024年11月9日 (土)・10日 (日)
形 式:オンライン形式(Zoom)
大会長:増山尚美 (北翔大学生涯スポーツ学部教授)
テーマ:ダンスセラピー〈関わり〉の始まるとき
〜リアルにこだわる〜
発表申込締め切り:8月31日(土)
発表形式:実技発表、ポスター発表、技法交流 (注1)
参加申込締め切り:11月6日(水)
注1)技法交流:実技発表の短時間・交流型の発表形式です
プログラム
11月9日(土) 大会1日目
時間 | 内容 | 説明 |
---|---|---|
10:30-10:40 | 大会長挨拶 | 開会 増山尚美 |
10:40-10:50 | 協会会長トーク | 「セラピーとして始めるために」 葛西俊治 |
10:50-11:00 | 画面内での簡単な運動 | |
11:00-11:30 | フレッシュ交流タイム (30分) | 「あらためて今、ダンスセラピーって!?」 複数のブレークアウトルームに分かれて交流する (司会:伊藤文枝) |
11:30-12:30 | 昼食 | |
12:30-14:10 | シンポジウム (100分) | 「私とダンスセラピー」 シンポジスト: 町田章一、照屋洋、髙橋秀樹 20分×3人+質疑応答40分(司会:増山尚美) |
14:10-14:30 | 休憩 | 簡単なストレッチとダンスなど |
14:30-15:30 | トークセッション ① (60分) | 「ダンスによる癒やしからダンスセラピー」 話題提供: 大沼幸子、西原実佳、山田晃広 10分×3人+参加者とトーク30分 (司会:葛西俊治) |
11月10日(日) 大会2日目
時間 | 内容 | 説明 | |||
---|---|---|---|---|---|
13:00 | 大会長挨拶 | ||||
13:10 -13:40 | 実技発表 (30分) | ルーム1 「5段階ダンスセラピーにおける意識状態の切り替わり」 葛西俊治 | ルーム2 「安心してそばにいるということ」 伊藤文枝 | ||
13:50 -14:20 | 技法交流 (30分) | ルーム1 「安全にイメージを用いて行う非日常的な動作」 原弘枝 | ルーム2 「呼吸と動きの連動により開始時の緊張を和らげる導入法」 渡辺明日香 | ルーム3 「糸なし糸引き・リードの引き渡し」 葛西俊治 | ルーム4 「ストリートダンスとセラピー 〜対面式コミュニケーションダンスと心身の健康〜」 山田晃広、青山海香、吉田美代子 |
14:20 -14:30 | 休憩 | ||||
14:30 -15:35 | トークセッション② (65分) | 「ダンスセラピーを身近なところから始める」 司会:原弘枝、 伊藤文枝 話題提供: 石川奈穂美、山田晃広、渡辺明日香 貴船惠子(動画のみ) | |||
15:35 -15:45 | 大会長挨拶 | 閉会 |
技法交流について(クリックすると開きます)
今回初めての試みとなるのが「技法交流」です。これはダンスセラピーの中で用いられている技法的な部分を短く取り出して、参加者に体験してもらいながら紹介するものです。30分枠のうち、発表体験時間は20分、続いて10分間は技法について参加者と質疑応答しつつ交流する方式です。
具体例としては、たとえば「アイスブレーク」などの交流的エクササイズやムーブメントなど。あるいは、関わり方のテクニック的な例としては、安心・安全のための声掛けの仕方や内容、トラブル的な困りごとに対しての進め方などの実践例など、セッションを進める際に役立つ方法や体験を紹介してもらうものです。
実践している方にとっては常識になっていてあまり意識されない可能性がありますが、現場ではセッションを進めるために役立つ技法や方法が様々に駆使されています。「技法交流」では、そうした技法をコンパクトに紹介して戴くことによって、そうした技法への認識が深まる場となることを期待しています。
ポスター発表 (オンデマンド)
時間 | 内容 |
---|---|
大会の一週間前に公開 | 「精神科病棟の入院患者に非日常を!~コリーダー作業療法士へのインタビューを通して」 原弘枝 |
「倫理って何? 倫理入門」 星野仁 |
参加方法
実技発表:
11月2日〜17日に紹介動画(20 分以内)を公開しています
あらかじめ視聴しておいて下さい
当日は2つのブレイクアウトルームで並行して行います
途中で出入り可能です
技法交流:
11月2日〜17日に紹介動画(15分以内)を公開しています
あらかじめ視聴しておいて下さい
当日は4つのブレイクアウトルームで並行して行います
途中で出入り可能です
ポスター発表:
11月2日〜17日にPDFと質問用掲示板を公開しています
質問・意見等を掲示板に書き込むと、発表者が随時答えます
その他:
※ 今回はダンスセラピスト単位認定はありません
※ 懇親会はありません
抄 録
1日目 | フレッシュ交流タイム | シンポジウム | トークセッション① |
2日目 | 実技発表 | 技法交流 | トークセッション② |
サイト | ポスター発表 |
1日目 | フレッシュ交流タイム | シンポジウム | トークセッション① |
2日目 | 実技発表 | 技法交流 | トークセッション② |
サイト | ポスター発表 |
フレッシュ交流タイム
「あらためて今、ダンスセラピーって!?」
「私の活動はダンスセラピーでしょうか?」という質問や疑問をしばしば耳にします。「ダンス・ムーブメント・セラピー Dance/Movement Therapy」は、アメリカ・ダンスセラピー協会の定義では「ダンスを含むムーブメントを心理療法的に活用すること」とされています。20世紀前半の当時、モダンダンスを前提として始まったダンスセラピーでしたが、その後は様々なダンスも生まれ、また「心理療法的…」という言葉も様々な意味で使われています。
「フレッシュ交流タイム」では、「セラピー的な私のムーブメント活動…」とか「ダンスなどの実践の中で参加者が癒されていくこと」等々、それぞれの体験に思いをはせてダンスセラピーへの思いを自由に話し合います。フレッシュな見方や体験にふれられることを期待して―。
シンポジウム
「私とダンスセラピー」
町田章一、照屋洋、髙橋秀樹 (司会:増山尚美)
本協会では1999年よりダンスセラピスト資格認定制度が開始されました。2004年には新たにアソシエイト・ダンスセラピストとダンスセラピー・リーダーの2つの資格が加わり、裾野が広がっています。ダンスセラピーを自分の領域にどう使っていったらよいか、実践されている先輩のアイディアや技法が聞ける場があったらという声を受け、3名のシンポジストに「私とダンスセラピー」というテーマでお話しいただきます。①ダンスセラピーに関わることになったきっかけと②ダンスセラピーを始めた頃と今では気持ちや捉え方に変化があるかについても伺いたいと考えています。参加される皆様が多様な在り方を共有し、各自の進む方向を探索する機会になる事を願っています。
シンポジストプロフィール
町田章一
1992年に日本ダンス・セラピー協会の設立に参画し、事務局長を25年間、会長を4年間やって、2021年に前線から退いた。現在は顧問として協会に関わっているが、できるだけ口を挟まずに、後継者たちに任せたいと考えている。「ダンス自体に癒やしの力がある」ので、時代や社会がどのように変わっても、ダンスセラピーはその時代に即して生き続けて行くと信じている。
私はダンスセラピストとしてよりも、協会を設立して運営することに努力を注いで来た。今は、個人として「ターミナル・ケアにおけるダンスセラピー」を実践、研究したいと考えている。そのために、2017年に仏教大学に入学し、2019年に浄土宗教師(僧侶)の資格を得た。2023年9月から、毎月1~2回、老人ホームに行き、ボランティアとして傾聴活動などを行なっている。
照屋洋
元公立中学校教員、元こども教育宝仙大学教授、現在同大学非常勤講師、芸術工芸高等専修学校非常勤講師、(一般社団法人)日本演劇教育連盟理事、指導者養成部委員、認定ドラマ・ティチャー、日本芸術療法学会会員、子どものからだと心・研究会議会員
中学校の教員になってすぐに、子どもたちのからだが置き去りにされている教育に疑問を感じ、同時に子どもたちと向き合う教師自身(自分自身)のからだについても考え始め、竹内演劇研究所(竹内敏晴主宰)で学び始める。
その後、さまざまなジャンルのものを学びながら、教育現場のみならず様々な場所で40年に渡ってワークショップを続け、都のフリースクール事業に関わったり、自身も舞台に立つなど、現在も活動の幅を広げている。
中学校の現場でも、いろいろな場を利用してからだのレッスンを行い、特に演劇部では、不登校の生徒が毎日登校できるようになるなど子どもたちに多くの変化が見られた。その演劇部では全国大会にも7度出場、脚本の感動的なストーリーと絵のように美しい舞台には定評があり、新聞等でもしばしばとりあげられた。しかしその活動の根本には、いい舞台を創ることの前に、自由なこころとからだを取り戻す作業がある。「ICT教育」が学校現場に急速に入り込んできている今、子どもたちのからだが悲鳴を上げていることを訴え続けながら、からだのレッスンを続けている。
髙橋秀樹
Ph.D., R-DMT
米国ニューヨーク州サラローレンス大学大学院ダンス/ムーブメントセラピー学修士課程を修了後,アメリカダンスセラピー協会からレジスタード・ダンス/ムーブメントセラピストの認定を受ける.その後,同州レジスケアセンターおよびイザベラハウスにて,ダンス/ムーブメントセラピストとして勤務する.
帰国後,京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻博士後期課程にて,知的能力障がいがある子どもと大人に対するダンス/ムーブメントセラピーの介入研究を行い,介入後に膝伸展筋とバランス能力の向上および,不適応行動が減少することを明らかにした.
現在は、四国大学生活科学部児童学科にて教員を務めている.また,神経発達症がある子どもと定型発達の子どもに対するダンス/ムーブメントセラピーの研究を継続するとともに,保育関係施設や発達支援施設などで臨床活動を行っている.
トークセッション ①
「ダンスによる癒やしからダンスセラピー」
話題提供:大沼小雪、西原実佳、山田晃広ほか (司会:葛西俊治)
ダンスは古来より神事の一つとして人々を癒し救ってきた―。「踊ることがひたすら楽しい、嬉しいこと」「心に響く踊りを目にすること」「踊りの輪に入ること」などによって、私たちは癒されたり、人生が揺り動かされたりしてきました。それらは「踊りやダンスそのものの力」といえるでしょう。そして「ダンスセラピー」という領域に関心をもつとき、私たちは自分自身の体験を元に、対象となる人々にとって「セラピー」となるような場を造り、それをどのようにして実現していくのか―そのことに夢と願いと苦労とを抱えているようです。
イメージやファンタジーからの展開、パートナーと華麗に踊るソーシャルダンス、ストリートダンスを楽しむ子どもたち、カウントを数えない舞踏の心のうごめき、各国の民族的な踊りの手つき・足先の情緒等々。話題提供者のそうしたお話をきっかけに、それぞれの「ダンス・セラピー」の道筋について話し合っていきます。
実技発表
「5段階ダンスセラピーにおける意識状態の切り替わり」
葛西俊治 (札幌ダンスムーブメント・セラピー研究所)
精神科デイケアなどで実施してきた5段階の「ダンスセラピー」(90分)における各段階の目的と心理療法的効果を解説する。対象は精神科デイケア・一般。1)のんびり準備運動、2)ムーブメントとダンス、3)腕の立ち上げレッスン(仰臥位)、4)深めのリラクセイション(〃)、5)心身の再活性化、のうち後半3)4)5)段階の内容について、その心理療法的効果と意識状態の切り替え効果に焦点化する。仰臥位での「3)腕の立ち上げ」では、段階1)2)での二人称的・三人称的関係性から離れ、自分の「腕の重さ」「手指腕の踊り」を体感する一人称的状況に導く。そして、1)2)での身体的疲労及び他者関係的疲労に沿って「4)深めのリラクセイション」へと意識状態を自然に切り替える。「5)心身の再活性化」では、座位・立位となり「ザブーンの波」などの交流的ムーブメントに回帰し、再び関係的な場へと向かい心身を活性化する。
「安心してそばにいるということ」
伊藤文枝(札幌市児童相談所)
発表者は、発達に心配のある乳幼児に心理士として週1回のグループセッションの中で遊びを通して関わっている。対象児の多くは言葉の遅れがあり、コミュニケーションが苦手、集団行動が苦手などの理由で参加している。そこでは、子どもに仲良くなってもらうべく、それぞれの子の個性を観察しながらどうしたら一緒にいさせてもらえるかがテーマとなる。特に、私より玩具に関心が強い子達に振り向いてもらうのには工夫がいる。その子にとっての安心な世界に少しずつ入れてもらいながら関わっていくが、コミュニケーションが苦手な子にとっては、物との世界と関わることが安心なように見える。物の世界とはどうゆうものなのか。人と人が「関わる」という事において安心感とは改めて何か。他者、集団の中で安心していられるためにはどんな事が必要なのだろうか。ビデオの内容をみていただき、参加者の皆様と、予測可能性、制御可能性について考えていきたい。
技法交流
「安全にイメージを用いて行う非日常的な動作」
原弘枝(伊達赤十字病院/札幌学院大学心理臨床センター)
精神疾患の長期入院患者や認知症、パーキンソン症状を有する高齢者を対象にした10名~15名の集団で実施してきたDMTであり、特に技法交流では車椅子に体を固定して参加する高齢者を念頭に置いています。したがって身体的には動きが抑制されていて、精神的には活動性・感情表現・言語表現の減少、妄想・幻覚・失語などの症状を有しています。“イメージ”が失敗体験や危険なものになることがあり、今回の技法交流では失敗感を薄くして安全にイメージを用いる方法の共有を目的としています。
対象者は腕や顔を上げる、胸を広げるといった動作に抵抗が生じていることが多々あります。風船の打ち合い→(架空ボールの受渡)→腕のゆっくりダンスを行います。具体的なモノを使った動きの感覚からイメージを使った動きへとできるだけ安全に移行することで非日常な動作を抵抗少なく行え、小さい幸福感や「ここにいてもいい」という体験になると考えています。
「呼吸と動きの連動により開始時の緊張を和らげる導入法」
渡辺明日香(北海道文教大学、ケアセンター山の手)
対象:精神科病棟入院中クライエント(CL)への20数年間のオープングループDMTにて開発。緊張している人(精神に疾患や障がいをもつ方、心身の障がいの有無を問わず緊張し易い成人や高齢者)。
目的:DMT導入時、参加者のリラックスを誘い、動きへの内発的活力を徐々に引き出す。
効果:「ここに来ると自由になれる」「このままの自分で良いんですね」など語り、参加者は安心感を得て姿勢や気分が改善し、硬い表情に笑顔が浮かぶ。
内容:特に初参加のCLは緊張が強い。導入時の緊張感を緩めることは常に重要課題。基本は呼吸と動きを連動させて動くように導く事。自らの呼吸の仕方を感じる時間を共に過ごした後、呼吸と連動して動くように柔らかい声で伝え、DThと共に動いてもらう。次第にDThに合わせずCL自身の呼吸ペースに連動して動くように声がけ。様々な動きで同様に繰り返すうちに、個々人のペースで動き、互いに関わり合うようになる。
「ストリートダンスとセラピー 〜対面式コミュニケーションダンスと心身の健康〜」
山田晃広(Takikawa Y’s-SDC)、青山海香(Takikawa Y’s-SDC)、吉田美代子
北海道滝川市を中心とした空知管内で活動するストリートダンスサークル「Takikawa Y’s-SDC」ではHiphop、Breaking、Houseなどのストリートダンスの教室を展開している。参加者は主に幼児から中学生である。その教室で講師をする中で、同じ動きでも、鏡に向かって一方向で踊るよりも、向かい合って踊ることで、参加者の高揚感や感情表現が豊かであることに気がついた。
ストリートダンスが筋力や心肺機能など、身体的効果があることは以前より報告があったが、本発表では、ストリートダンスで参加者間の非言語的コミュニケーションを促し、お互い感情の解放やストレス軽減に加え、協調性や自己肯定感のみならず他者肯定感や共感性を高める可能性があると考え報告したい。
「糸なし糸引き・リードの引き渡し」
葛西俊治 (札幌ダンスムーブメント・セラピー研究所)
対象を精神科デイケア並びに一般とした「糸なし糸引き」とは、二者の間で糸があるかのように長さを変えず穏やかに交互に引き合う技法です。20センチ程の長さの「見えない糸」を取り出して相手に糸の反対側の端をつまんでもらう(仮想的状況を了解する能力の確認)。ある程度引いたら次にどのタイミングで相手が引けるように切り替えるか、あるいは糸が伸びたりしていないように互いに配慮して穏やかに動くという点で、相手との関係調整力のレッスンとなります。なお、説明する立場の者が、相手に仮想の糸をつかんでもらった途端、自ら引っ張り出して相手を引き回すといった「教師的支配者的立場」に陥る罠の存在にも気づかされます。セラピー的関係のレッスンとしては、仮想の「糸なし糸引き」事態が了解されたなら、まずは直ちに相手側にリードを渡して、自分が相手についていく姿勢が重要であることを伝える目的もあります。
トークセッション ②
「ダンスセラピーを身近なところから始める」
話題提供:石川奈穂美、山田晃広、渡辺明日香
貴船惠子 (動画のみ)
(司会:原弘枝、伊藤文枝)
認知症高齢者に対して街中の住民としてサポートする「札幌市での活動例」。一緒にダンスを楽しむ子どもたち⇒高齢者施設でのキッズダンスには素敵な笑顔や手拍子や涙! 精神科から新たに福祉施設での取り組みが新鮮! かつてアメリカの精神科病棟で始まったとされるダンスセラピーを深く掘り下げるような専門性と並行して、ダンスセラピーの小さな芽吹きはちょっとした瞬間に訪れるのかもしれません。「身近にあるダンスセラピー」について一緒に考えてみたいと思います。
ポスター発表
「精神科病棟の入院患者に非日常を!~コリーダー作業療法士へのインタビューを通して」
原弘枝(伊達赤十字病院/札幌学院大学心理臨床センター)
精神科病棟にて、経験の浅い心理士がリーダー、経験豊富な精神科作業療法士がコリーダーとなって実施したダンスムーブメントセラピー(DMT)。作業療法士からみたDMTについてまとめました。セッションに参加していた入院患者を日常的に支え、日々、患者の傍らにいた作業療法士には心理士が持ち込んだDMTがどのように映り、プログラム中の患者の様子をどう見ていたのか、作業療法士に利点があったのか、参加者への非日常体験の効果について分析しています。異なる職種同士で協働して行うDMTの導入の一助になることを目的に一つとしています。
「倫理って何? 倫理入門」
星野仁(精神科医)
私達の生活では、たびたび割り切れない問題に出会います。特にセラピーのような人間関係を扱う場では、さまざまなジレンマが立ち現れます。正解はないのに、答えを探さなければなりません。そんな時の道しるべとなるのが、倫理です。
倫理とは、あらゆる人間活動の基盤をなすものです。「善悪の基準」とか、「よく生きること」などともいわれます。その理念を指針という形に落とし込んだものが、倫理規定です。
当協会の倫理規定は、今回16年ぶりに大幅改訂されました。これまでは資格認定者のみを対象としていましたが、今回の改定では全会員を対象としました。また会員各自の責任と、実践・自己研鑽/教育・研究についてそれぞれ指針をまとめました。今回の発表では、倫理規定を活用するのに必要となる基礎知識を、わかりやすく提示します。
演題募集
募集は締め切りました
参考:演題募集
大会での発表を募集します。
発表形式は、以下の3種類です。
・実技発表(60分)
・技法交流(30分)
・ポスター発表(在籍時間30分)
実技発表と技法交流について(クリックすると開きます)
・「実技発表」(60分)
ダンスセラピーの実技や技法の発表形式として、今大会では2種類用意しています。その一つはこれまでと同じ1時間枠で行う「実技発表」です。45分間の発表を行い、残り15分で大会参加者と質疑応答による交流を行うものです。こちらは、45分間の中でダンスセラピーのセッション(その構成やその一部)や進め方なども含めて、大会参加者が部分的にも体験できるよう留意しながら発表を進めるものです。また、実技発表は、そうした発表に基づいて将来『ダンスセラピー研究』誌に投稿を目指すようなレベルでの発表としても位置づけられます。
※「実技発表」の発表者がダンスセラピスト/アソシエイト・ダンスセラピストの場合、「実技発表」参加者は単位認定される場合があります。(資格認定委員会による判断に基づく)
・「技法交流」(30分)
今回初めての試みとなるのが「技法交流」です。これはダンスセラピーの中で用いられている技法的な部分を短く取り出して、参加者に体験してもらいながら紹介するものです。30分枠のうち、発表体験時間は20分、続いて10分間は技法について参加者と質疑応答しつつ交流する方式です。
具体例としては、たとえば「アイスブレーク」などの交流的エクササイズやムーブメントなど。あるいは、関わり方のテクニック的な例としては、安心・安全のための声掛けの仕方や内容、トラブル的な困りごとに対しての進め方などの実践例など、セッションを進める際に役立つ方法や体験を紹介してもらうものです。
実践している方にとっては常識になっていてあまり意識されない可能性がありますが、現場ではセッションを進めるために役立つ技法や方法が様々に駆使されています。「技法交流」では、そうした技法をコンパクトに紹介して戴くことによって、そうした技法への認識が深まる場となることを期待しています。
○発表申し込みの際の留意点
実技発表および技法交流の申し込みでは、発表要項に沿って次の3点を明記してください。
1.主な対象者について (一般、あるいは年齢や身体的・心理的状況など)
2.実技や技法の目的・効果
3.内容の簡略的な説明
補足
1) どのような実技や技法も、対象者の状況、例えば年齢的な困難さ、身体的障がいや知的障がい、その他様々な個々人の事情によって適不適が異なる可能性があります。そうした点に留意して記載してください。
※「ダンスセラピーの6領域」―
ダンスセラピーが展開されてきた歴史的な経緯も関わり、ダンスセラピーでは次の六つの領域が想定されています。すなわち、Ⅰ)精神科・心療内科、Ⅱ)高齢者、Ⅲ)知的障がい、Ⅳ)身体障がい、Ⅴ)生涯教育(健康)、Ⅵ)その他(子育て支援、がん患者、ターミナルケア、サイコドラマ、芸術療法等)、です。それぞれの領域独自のアプローチなども試みられてきています。
2) 発表者は参加者の体験時間を確保するため、特に「技法交流」では講義的な進行はできるだけ控えてください。
3) 参加者による体験の幅を拡げることを目的として、「技法交流」については、同じ内容で二度発表(30分+30分:計1時間)していただける方はその旨、大会実行委員会までお知らせ下さい。参加者が様々な技法に触れられるようご協力をお願い致します。
○「交流リアクションペーパー」
実技発表または技法交流では、参加者は体験内容についてリアクションペーパーを発表室担当係または大会受付まで提出していただきます。回収したリアクションペーパーは発表者にお渡しして、発表内容についてのフィードバックとして活用してもらいます。
・リアクションペーパーの記載内容は次の通りです。
発表者氏名 タイトル / 参加者の氏名 所属など
1) 発表から学んだこと
2) 発表内容から発展させたいことなど
3) その他
・発表者には、後日レポートを提出していただき、ニュースレターに掲載する予定です。
募集要項
抄録(400字)を作成した上で、下の演題申込みフォームからお申込みください。
筆頭発表は一人一題としてください。なお、実技発表、技法交流、ポスター発表それぞれ一題ずつの申込が可能です。
研究発表に関連して提出された個人情報や倫理チェック用の資料等は、大会実行委員会で管理し、第三者に提供されたり、他の目的で使用されたりすることはありません。
発表にあたっては、以下の研究発表ガイドラインを熟読の上、それに従ってご準備ください。
演題募集締切り:8月31日
まだ募集枠に空きがあるため、締切りを9月17日(火)に延長します。
タイムライン
大会要項発表 7月31日: 大会公式サイト公開
発表申込(抄録)締め切り 8月31日: ポスター発表、実技発表、技法交流
プログラム・抄録公開 9月30日: 大会公式サイトに公開!
発表用資料締め切り 10月15日: 各発表者による資料提出
大会参加申込締め切り 11月6日
参加申込み
参加方法
今大会は、全てオンラインで行います。参加するには、①Zoomと②特設サイトの両方にアクセスします。
参加者には、Zoomと特設サイトそれぞれのURLとパスワードを、大会の1週間前からメールでお伝えします
① Web会議システム「Zoom」
開催当日のフレッシュ交流タイム、シンポジウム、トークセッション等は、全てZoomでリアルタイムで行います。
実技発表と技法交流は、あらかじめ配信される動画を見た上で、発表者とZoomで交流を行います。
参加者には、開催の数日前にZoomのミーティングナンバーとパスコードをメールでお送りします。
Zoomに不慣れな方へ:前もってZoomのテストサイトにアクセスして、カメラとマイク・スピーカーが正しく機能するかチェックすることをおすすめします。また、可能ならパソコンとスマホなど、複数のデバイスを用意しておくとなお安心です。
② 特設サイト
実技発表と技法交流の紹介動画とポスター発表を、特設サイト(参加者のみ閲覧可)にまとめて掲示します。
11月2日〜17日に公開予定で、参加者にはURLとパスワードをメールでお送りします。
申込み方法
下の大会参加申込みフォームからお申し込み下さい。
参加申込みは、① 申込み、② 参加費振り込み、の両方が必要です。実行委員会で両方とも確認でき次第、申込み完了のご連絡をいたします。確認に1~2週間程度要する場合がありますので、ご了承ください。
領収書が必要な方は、申込みフォームの連絡事項の欄にご記入下さい。
申込みフォームがうまくいかない場合は、実行委員会()までご連絡下さい。
大会参加申込み・参加費振り込み 期限:11月6日(水)
大会参加申込は締め切りました
大会参加費
対面形式からオンライン形式に変更したため、参加費を改訂します。
会員・非会員:5,000円
学生:2,000円
※ 入金後の自己都合による返金はできません
参考:改定前の参加費
10月25日(金)まで | それ以降 当日料金 (会場受付現金払) | 懇親会 (任意) | |||
両日参加 | 一日参加 | 両日参加 | 一日参加 | ||
会員 | 8,000円 | 5,000円 | 10,000円 | 6,000円 | 5,000円 |
非会員 | 10,000円 | 6,000円 | 12,000円 | 7,000円 | |
学生 | 3,000円 | 2,000円 | 5,000円 | 3,000円 |
※懇親会費は参加費と同時振込です。
例)会員・両日+懇親会参加で 8,000+5,000=13,000円
振込先
振込先はゆうちょ銀行です。下記①②のいずれかの方法でお振込み下さい。
振込完了をもって参加申込みの受理となります。振込手数料はご負担ください。
!! 協会年会費口座ではありません。年会費は振り込まないで下さい !!
大会参加費専用口座 | |
①郵便局からの郵便振込 【記号番号】14030−72565481 【口座名】日本ダンス・セラピー協会 | ②他金融機関から振込 【銀行名】ゆうちょ銀行 【支店名】四○八支店 (ヨンゼロハチシテン) 【口座番号】(普) 7256548 【口座名】日本ダンス・セラピー協会 |
アクセス
開催形式を対面からオンラインに変更したので、現地集合はありません。
参考:当初予定していた会場
北方圏学術情報センター/北翔大学 札幌円山キャンパス
〒064-0801札幌市中央区南1条西22丁目1番1号
TEL:011-618-7711 FAX:011-618-7712
(地下鉄東西線 西18丁目駅 下車徒歩6分)
地図
※地図では「北方圏学術情報センター ポルト」と表示。
空港からのアクセス(クリックすると開きます)
行き
○JRを利用して札幌に向かう場合
1. JR札幌駅で地下鉄に乗り換える方法
所要時間: 約44分
新千歳空港駅から札幌駅: JR快速エアポートで約37分
札幌駅から大通駅: 地下鉄南北線で約2分
大通駅から西18丁目駅: 地下鉄東西線で約5分
料金: 合計1,400円 (新千歳空港駅から札幌駅: 1,150円、札幌駅から西18丁目駅: 250円)
2. JR新札幌駅で地下鉄に乗り換える方法
所要時間: 約54分
新千歳空港駅から新札幌駅: JR快速エアポートで約28分
新札幌駅から西18丁目駅: 地下鉄東西線で約26分
料金: 合計1,190円 (新千歳空港駅から新札幌駅: 860円、新札幌駅から西18丁目駅: 330円)
比較結果
1. JR札幌駅から地下鉄に乗り換えが速い/乗換2回(約44分)
2. JR新札幌駅から地下鉄に乗り換えが安い/乗換1回(1,190円)
※時間帯によって地下鉄の運転本数が違うのでどちらが早いかは時間帯による。
また、乗り換えは歩く距離があるので、荷物が多い時は乗り換え一回が楽です。
○新千歳空港からバスを利用して札幌に向かう場合
料金: 1,200円(片道)
所要時間: 約70-90分
札幌駅前行き: 約80分(直行便は約65分)
中島公園行き: 約80分
京王プラザホテル行き: 約90分
割引オプション:
往復割引乗車券: 2,300円、 4枚綴り回数券: 4,500円
運行会社: 北海道中央バスと北都交通との共同運行
天候や交通事情により、到着が遅れる場合があります。
帰り
◎大会終了後にJRで新千歳空港に向かう
大会終了後、日曜日の混雑を避けるために始発駅のJR札幌駅で乗車する。JR新札幌駅から乗車すると列車が混んでいることが多いので、優先席(Uシート)を利用するのが安全。
優先席(Uシート)のチケット価格と予約方法 (快速エアポート)
料金: 合計1,680円 (基本運賃1,150円 + Uシート料金530円)
予約方法: 駅の窓口や自動券売機で購入
オンライン予約(JR北海道の公式ウェブサイトや「えきねっと」)
◎大会終了後にバスで新千歳空港に向かう
バスは北都交通と中央バスの共同運行です。以下のサイトで確認してください。
どちらのバス会社のチケットでも乗れます。市街中心部などに「空港連絡バス」停留所も複数あるので、乗りやすいところから乗車します。
空港連絡バス
札幌都心⇔新千歳空港
JR札幌駅にあったバス・ターミナルは建設工事中です。なお、JR札幌駅南口にある「大丸札幌店」の南側のビルに「空港連絡バス」乗り場があります。
◎大会終了後に地下鉄東西線とバスで新千歳空港に向かう
地下鉄東西線「西18丁目」駅から「大谷地」(おおやち)駅下車。「大谷地」駅から、新千歳空港行き「空港連絡バス」が発着しています。上記のサイトで確認してください。
乗車方法
●交通系ICカード
JR北海道と札幌市営地下鉄では「SUICA」等の主な交通系ICカードが使えます。
●札幌地下鉄「ドニチカキップ」
ドニチにチカテツ乗り放題のお得なキップ
土曜日、日曜日の一日割引乗車券です。一日に三回以上乗るとお得です。
520円:地下鉄駅券売機で購入。
注意事項
個人情報保護
個人情報保護のため、発表者・参加者共に写真・動画撮影を禁止します。また発表内容の引用や今後の研究に利用したい場合は、発表者の許可を得て下さい。
参考:コロナ対策
コロナ対策
朝、体温を測って下さい。当日37.5度以上の発熱がある場合は、会場に入れません。発表者の場合は、発表中止とします。また流行状況によっては、全員マスク着用となります。
第33回JADTA学術研究大会実行委員会
問合せ
※ 件名に「大会問合せ」と明記して下さい
スタッフ
大会会長:増山尚美
実行委員:伊藤文枝 原弘枝 石川奈穂美 竹内実花 星野仁 (順不同)
大会顧問:葛西俊治
個人情報の扱い
大会への参加申し込みや演題申し込み時に入力した個人情報は大会実行委員会が保管し、当協会以外の外部に漏洩することのないように厳重に管理致します。また実行委員会メンバーが必要最低限の写真撮影・録画を行い、個人を特定できない形で会報及び協会公式サイトに掲載する場合があります。