第20回奈良大会

第20回奈良大会のお知らせ
第20回奈良大会
 「思いをうけとめるからだ、関係をつなぐ動き」 第3報

* 第2報にスケジュール、発表演題抄録等を追記 (2011/7/25)


* このイベントは終了しました

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<ご挨拶>

 東日本大震災で被災された地域の皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
 各地に残る影響の深さに心を痛めつつ、9月の開催に向けて準備を進めているところです。
 今回の特別企画は「痛みが語ること」と題して、ダンスセラピーが痛みや苦悩という問題にどのように向かい合えるのかについて、WSとそれに続くシンポジウムから具体的に考えていきます。
 昨年末にテーマを設定し企画を進めている最中に、このたびの大きな「痛み」に直面しました。協会大会が20回を迎える今ここで、なぜ「からだ」なのか、なぜ動き<ダンス/ムーブメント>なのか、というダンスセラピーの本質にも迫る問いについて熟考する機会が与えられていると感じました。
 既報のように、奈良大会ではダンスセラピーの実践および研究成果の発表を「ポスター形式」で行います。この大会初の試みに15演題が集り、実技発表にも8演題のエントリーを頂いています。
 奈良大会に参加する私たち一人ひとりが、WSや研究発表の場で率直に意見を述べ合い深めてゆくことで、意味ある力を生み出したいと思います。

                      第20回大会会長 成瀬九美(奈良女子大学)

1.大会日程・会場
 開催日時:2011年9月10日(土)~11日(日)
  会場:国立大学法人奈良女子大学構内(奈良県奈良市北魚屋西町)
    ※会場までのアクセスは「9.会場へのアクセス」をご覧ください。
    ※受付は、総合研究棟文学系S棟 ラウンジです。大学正門よりお入りください。

2.スケジュール


      ※実技発表は90分間(発表80分、質疑応答10分)です。いずれの会場も土足禁止・飲食禁止です。
      ※ポスター発表は45分間です。発表者はポスター前に待機してください。
      ※大会特別企画Ⅰ:ワークショップ(WS)は事前申し込みが必要です。詳しくは下記をご覧ください。
      ※スケジュールは変更する場合があります。当日の掲示にご留意ください。

3.大会特別企画 企画Ⅰ: ワークショップ「私の中の痛みに向き合う」 <事前申込制>
 (1)申し込みについて
   ・ 希望するWSを第1希望から第3希望まで選び、その番号をセクションごとに「参加申込票」に記入してください。
     各WSの内容は下記に掲載しています。
   ・ 大会参加申し込み順に受け付けを行います。希望者が受け入れ可能人数を越えた場合は調整を
     行うことがあります。また、当日参加の方は定員に余裕のあるWSの中からお選びいただきます。ご了承ください。
   ・ ご参加いただくWSは、9月10日(土)総会開始前に総合受付に掲示します。
 (2)持ち物について
    <次のWSに参加希望の方はご用意ください。もちろん動きやすい服装でお願いします>
     WS①(こころの痛みに向き合う器としてのからだ) 
        手ぬぐいサイズのタオル1枚。クレパス(12~24色)。
     WS⑤(動きの中のからだと痛みと気づき)
       手ぬぐいサイズのタオル1枚。必要な方は上履きを持参(土足禁止です)。
     WS⑦(染めとダンスのワークショップ「滲み入る身体2011」)
       思い出の服(WSで染めてみたい物。TシャツやYシャツなど。濃い色の服は染まりにくいので避けてください)。
       持ち帰り用ビニール袋。汚れても良い格好で参加してください。
 (3)資格認定単位
     WS④⑧はダンスセラピスト資格認定の「精神身体医学論」単位、
     その他のWSは「ダンスセラピー実践技法」単位(いずれ2.2単位)が取得できます。


4.発表演題抄録

<実技発表Ⅰ> 9月10日(土)10時~11時30分

①安田友紀(大阪体育大学大学院)
  「遊びからダンスへ」
  知的障がい児を対象として実践している内容を発表する。『だるまさんが転んだ』や『イス取りゲーム』の遊びにある、「動いて止まる」や「音の停止で椅子にすわる」などの約束を取り入れ、移動の仕方や止まり方、椅子の座り方や体の使い方などから、自由で即興的なダンスへと発展させていく。

②堀切敍子(JKダンスアトリエ主宰)
「ダンスセラピーと身体運動の技術-1- 真向法(まっこうほう)を通して深部筋を知る」
真向法は、股関節を柔軟にし、心身を爽快感に導く健康のためのエクササイズです。実践すると、からだの中心を知り、立位での動きの発展に通じます。この実技講座では、セラピーとしてのダンスの基幹は何かを、身体運動の技術の側面から考えます。

③松原豊(こども教育宝仙大学)
「車いす使用者を対象としたセラピューティック・ダンス」
車いすダンスには、立位の方と車いすの方がペアになって踊るボールルームダンスのイメージがありますが、このワークショップでは、シンプルな動きやポーズを使いながクリエイティブなダンスを行います。車いすの方、立位の方が共に表現をすることで、気持ちを開放したり、ノンバーバルなコミュニケーションを楽しめることを目指したいと思います。

④葛西俊治(札幌学院大学)
「ひそやかな動きと声音から始まる身体心理療法に向けて」
ひそやかで周りに気づかれないほど小さくささやかな動き。そうした動きから始まるアプローチでは
そうした動きに小さな音や声音を伴いながら身体的心理療法と呼ぶべき特徴的な展開をしていくこと
が多い。そうしたアプローチの方法と内容、その心理療法的側面における注意点についてふれる。


<実技発表Ⅱ> 9月11日(日)13時15分~14時45分

① 竹内実花(竹内実花BUTOH研究所)
「精神科デイケアでの復職プログラム「リワーク」でのDMT
「リワーク」プログラムというのは、精神科において主にうつ病などで休職中あるいは退職した人達
に対して行われているものである。心理教育などを中心にさまざまな体験的なプログラムを有したも
のである。そのなかの「リラクセイション」について、実際の実技体験を中心としつつ、どのあたり
に焦点をおいているのか、あるいは精神科ディケアや認知症高齢者の場合との相違点類似点などの説
明なども含めていく。

②北島順子(大手前短期大学)
「教育現場で活かすリラクセーション&コミュニケーションワーク-ダンス・セラピー的アプローチ-」
本実技発表では、ダンス・セラピー的アプローチによる手法を用いて、教育現場で活用できるリラク
セーション法を紹介する。また、コミュニケーション能力を高めるワークを体験し、教育におけるダ
ンス・セラピーの可能性を、参加者と共に探っていきたい。

③向出章子(奈良市立二名小学校)
「楽しくコミュニケーションしよう-子どもを対象としたダンス・ムーブメントセラピー的アプローチ-」
子どもの発達は、人との関係性が大きく影響する。互いにかかわりながらコミュニケーション・人間
関係を築くためのワークを主に取り入れたい。参加者同士が共通のリズムや動きを共有し、ふれあう
体験を感じてほしいと思っている。

④吉村節子(大阪ダンス&アクターズ専門学校 副校長)
「『まほろばの響き』によるムーブメント・クワイヤの試み」
ムーブメント・クワイヤは、集団で行うダンスパフォーマンスの一種です。今回は、奈良の地と舞台という環境を活かしたパフォーマンスを体験します。参加者自身が舞手となり、ともに動きでかかわりあいながら、その場を共有し、音楽や映像を活用しながら動きによるコミュニケーションを図ります。
 ※ご参加される方は、上下白の動きやすい服装を着用の上、お越しください。


<ポスター発表> 9月11日(日) 9時15分~10時

①大野芳義(西白河病院)
「精神病棟でのダンスムーブメントセラピーへ影響する因子」
精神病院慢性病棟2ヵ所で身近な行動のイメージを利用するなどしたダンスムーブメントセラピー行った。より高齢で精神遅滞の多い病棟のほうが抽象的なイメージへの反応が劣るように思われた。

②竹内実花(竹内実花BUTOH研究所)
「精神科ディケアでのうつ病からの復職プログラム「リワーク」の実際について」
近年、うつ病またはうつ状態として精神科ディケアを訪れる人の数が増大し、「リワーク」プログラムの実施回数が増えてきている。プログラムの内容は言葉によるものに留まらずリラクセイションやダンスセラピーなど身体体験を含む複数のモード(視覚・聴覚・言語・体感・動作や動きなど)に注目することで、自己開示的な展開を経ながら自分自身の思考の特徴や身体的状態に気がついていくプロセスが「リワーク」には有効と感じている。

③橋本弘子(藍野大学)
「統合失調症患者に対するダンスセラピーの効果」
ダンスセラピー時にセラピストが対象者に直接に投げかけるイメージを促す言葉は,動きや表情の変化に大きく影響する.今回、統合失調症患者を対象に,イメージを促す言葉かけが感情に及ぼす研究を行ったので報告する。

④向出章子(奈良市立二名小学校)
「児童期における共感性の発達 -ダンス・ムーブメントセラピー的アプローチを通して-」
ダンス・ムーブメントセラピー的アプローチを通して、児童期の共感性の発達について報告する。特
に、中学年の通常学級の子どもと特別な支援の必要な子どもの共感性の発達について、共感性尺度、
アンケートや自己評価などから考察する。

⑤安田友紀(大阪体育大学大学院)
「知的障がい児を対象としたダンス教室における実践報告‐保護者アンケートを通して‐」 知的障がいをもつ小学1年生から中学3年生と、その兄弟を対象としたダンス教室についての実践報告を行う。申込者数や参加人数をはじめ、参加継続者と非継続者を比較したプログラムの検討など、保護者を対象としたアンケート調査をもとに報告する。

⑥永井夕起子(湊川短期大学 幼児教育保育学科)
「動作空間が動作の同期過程にもたらす影響」
他者と動きを共有する中では、時折、他者の動作に自分の動きを同期させることがある。発表では、動作空間のちがいが動作の同期過程における精神生理学的反応に及ぼす影響について報告する。

⑦成瀬九美(奈良女子大学文学部)
「気分状態を反映する動作の特性‐動作速度を中心に」
気分および覚醒状態が動作にどのように表れるかについて、8名の実験協力者に、一日5回(午前2回、午後3回)、主観的気分と覚醒状態の測定と5種類の動作課題(腕を前後に振る、腕を回す、足を踏み出す、上半身を揺らす、自由に腕を動かす)の遂行を課した。遂行動作を動作速度、関節角度、移動軌跡などの観点から分析して遂行前の気分との対応を検討した。

⑧林麗子(名古屋学芸大学ヒューマンケア学部)
「共感の暗黙プロセスに関する特性尺度の作成」
他者に共感するプロセスには「暗黙的処理と明示的処理(Beebeら,2008)」があると考え,共感の「暗黙的処理」に関わる個人の傾向性について,質問紙を作成し,既存の共感性尺度との連関について検討する。

⑨實方宏海(神戸大学人間発達環境学研究科)
「カップルダンスの変遷とその背景」
ヨーロッパのダンスの歴史の中で、「男女が2人で踊る」という形式には、形式ばった踊り方が、より活力にあふれたダンスへと変化していく様子が見られる。人々が、踊ることを通して求めたものの中に、現在のダンスセラピーに通じる道筋を探る。

⑩北島順子(大手前短期大学)
「近代教科書にみる「身体文化」の思想-「身体規律」に着目して-」
現在の教育現場における「身体規律」を重視したダンスが、セラピューティックなダンスの対極にあるという視点で、15年戦争期に使用された国定教科書、及び、植民地等教科書の中の「身体規律」に関する記述・記載を検証する。

⑪葛西俊治(札幌学院大学)
「ダンスからダンスセラピーへの展開のポイントについて」
ダンサーの方で自身の活動をダンスセラピーへと発展させたいと考えている方がダンスセラピー・リーダー講座などに訪れてきます。志の強さと身体的トレーニングによる能力の高さはともかく、ダンスセラピーへの移行に際して必要な「視点の切り替え」が必ずしも容易ではないことがあります。たとえば、技量的には低いかもしれない参加者の身体心理的傾向と本人の願いへと関心を寄せていくことなど、ダンスで必要とされる表現力や競技性、克己心とは異なる要素が多々あるためです。ダンスからダンスセラピーへと指導内容を移行するために必要なポイントについて提示します。

⑫中めぐみ(おや・こ ムーヴメント Atelier M)
「Kestenberg Movement Profileの概要と適用例」
非言語的行動を記述し、発達的観点から評価・解釈をするための複合的な動作分析法として活用を期待されるKMPについて、その概要を紹介し、母子・成人・発達障害児等の対象への適用例について検討する。

⑬堀切敍子(JKダンスアトリエ主宰)
「[動き]の『根っこ』はどこにある?」
素足で踊る舞踊のための[動き]の『根』は何か。こころを表現し、解放する舞踊には、目に見えない[動き]の根っこがあるのではないか。舞踊家・宮 操子(1907~2009)は、常に[動き]の『芽』ということを言った。『芽』があるのなら、『根』があるのではないか。それは何か。

⑭山下弥生、川岸恵子、三谷麻歩、若林文子、吉武亜紀(ダンスセラピー/ワーキンググループ”プロセス)
「ダンスセラピー/ワーキンググループ”プロセス”のプロセス」
私たちは2006年より、中国・近畿地方で一般健常者対象のワークショップを開催し、ダンスセラピス
トとしての知識・技量の向上に努めてきた。その過程を振り返り、ダンス/ムーブメントセラピーにお
いてグループで学ぶ意義や可能性、また参加者の変化について報告、検討したい。

⑮川岸恵子(大阪府立急性期総合医療センター精神科)、梶明子(California School of Professional Psychology)
「日本におけるダンスセラピーの現状について」
本研究はJADTA会員が実際にどのようなダンスセラピーを行っているかをアンケートによって調査し、それをもとに、JADTAにおけるダンスセラピーの定義を確立することが可能であるかを検討する。

⑯﨑山ゆかり(武庫川女子大学短期大学部幼児教育学科)
「動きの質を表わす歩行に関するオノマトペ表現について」
ラバンなどの動きの専門用語を用いず、日常の言葉で動きを表現する試みを報告する。歩行動作に関するオノマトペについて、アンケート調査から抽出した言葉と、実際にイメージされる歩行動作とのつながりについて考察する。


5.懇親会
 9月10日(土)18時~20時。ダイニングレストランfue (ふう)にて。
  参加費:5000円(立食。フリードリンク) ※参加希望の方は事前申し込みと参加費納入が必要です。

6.参加費
 
7月31日まで
( 早期割引 )
8月1日以降
1日参加
会 員
10,000円
12,000円
7,000円
一 般
12,000円
14,000円
8,000円
学 生
5,000円
3,000円
懇親会
5,000円

                                    ※学生の方は、学生証をご持参ください。

7.参加申し込み
 「参加申込票」に必要事項を記入して送付してください。
  <郵送の場合>
   〒630-8506 奈良市北魚屋西町 奈良女子大学文学部 成瀬九美(JADTA奈良大会事務局)
  <FAXの場合>  0742-20-3348
   <メールの場合> nara2011@jadta.org  「参加申込書」の項目をもれなく記載してください。

8.参加費の納入
  ・懇親会に参加される方は併せて振り込んでください。
   参加者の都合でキャンセルの場合は返金いたしかねますので予めご了承ください。
      口座記号番号「00970-4-184168」  加入者名「成瀬九美」
  ・通信欄に①振込金額の内訳 ②懇親会参加(参加・不参加) ③特別企画WSの希望(各セクションの第1希望から
   第3希望まで)を記載してください。 ※「参加申込票」を参考にしてください。

9.会場へのアクセス
 奈良女子大学の最寄り駅は「近鉄奈良駅」
 (JR京都駅から近鉄京都線で急行45分、JR大阪駅からJR環状線 鶴橋乗換え、
 近鉄奈良線快速急行または急行で50分)です。
 東改札口を出て、1番出口を上がり、「東向き北商店街」を抜けて大学正門まで徒歩5分で到着します。
 南門からの入構はできません。





10.その他
 ・宿泊は各自で手配してください。ホテル・旅館は、近鉄奈良駅、JR奈良駅、近鉄新大宮駅周辺にあります。
 ・弁当の予約ならびに研究大会当日の販売は行いません。
  近鉄奈良駅構内および大学近隣のコンビニエンスストアなどをご利用ください。
  なお、大学生協(売店・食堂)は夏期休業中のため利用できませんのでご注意ください。
 ・治療を目的とした参加はご遠慮ください。
 ・大学構内の喫煙は指定の場所をご利用ください。
 ・記念館は重要文化財、佐保会館は登録有形文化財に指定されています。館内の飲食はご遠慮ください。









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