『からだは語る-身体性とジェンダーの精神分析』

鍛冶美幸 事務局長から翻訳本出版のお知らせをいただきましたので、ご紹介します。
直接ダンスセラピーの内容ではありませんが、心と体のつながりに関わる者にとって貴重な気づきが得られるでしょう(広報)


『からだは語る-身体性とジェンダーの精神分析』

アレッサンドラ・レマ著、鍛冶美幸・村井雅美訳
木立の文庫、2025年10月
304ページ、3,960円 Amazon

自分の身体が「心の住み家」とはならず、苦しむ人がいます。

その身体に強烈な違和感を抱く彼/彼女らは、美容整形や身体改造、倒錯的な性行動、ネット世界への耽溺、排泄行為といった、自らの“苦悩”を「無痛」化する作業に囚われています。

本書はそうした苦しみを抱えた人たちが、精神分析を通して“からだ”を心の器とし、“わたし”を再-創造していく様をビビッドに描いています。著者である精神分析家アレッサンドラ・レマの身体性を帯びた言葉は、彼/彼女らの心身の痛みに寄り添い、もつれた心の毛糸玉をほぐすかのように自己探索を促し、彼/彼女らが自らの心身を包む衣を編み直す作業を助けます・・・まるでダンス・セラピーのように。

本書は、こころと身体のつながりに関心を持つ人にとって必読の一冊です。

文責:鍛冶美幸   
(文教大学教授)