第29回 研修講座報告 

研修講座委員長 大沼小雪

2018年12月8日、9日の2日間、こども教育宝仙大学で開催された研修講座に14名が参加されました。参加者の半数は初めての方でした。今回も大変熱心に受講され、前回と同様に参加者それぞれが得意のダンスを指導している方も多く、実技交流では選ばれし3名の方のダンス(古楽「宮廷」舞踊、ベリーダンス、JAZZダンス、演歌に振付)が体験でき、それぞれ特徴ある動きに真剣に取り組み、時に笑いを誘い、和やかで楽しい交流となりました。前回から取り入れたこの多様なダンスの交流は、新しい発見が多く、体の使い方、リズムの取り方、交流の仕方が異なることで、気分も優雅になったり弾けたり、うまく動けない自分を笑ったり、カッコよさに酔いしれたり、女性性の強い動きだったり男性的であったり、様々なことを統合できる場となっているように思います。リーダーをして下さった方に感謝申し上げます。

内容 講師
Ⅱ実践論 :集団アプローチ 大沼
Ⅱ実践論 :知的障害領域 松原
Ⅱ実践論 :トゥルーディ・シュープ 平井
Ⅰ基礎論 :トゥルーディ・シュープ 平井
Ⅱ実践論 :高齢者領域 大沼
Ⅳ実践技法:ドラマ 照屋
Ⅳ実践技法:アレクサンダーテクニーク 大木
Ⅳ実践技法:参加者とのダンス交流 大沼

1日目の松原豊先生の知的障害領域では、正しい知識をわかりやすく提示していただき、また実技を加えていただき、障害を持つ人の特徴に合わせた言葉かけ、動きなどが紹介されました。大沼の集団アプローチは、すぐにグループ体験から入り、そこで感じたことから展開し、集団と個の体験、個にムーブメントで関わっていく体験をしました。平井タカネ先生はトゥルーディ・シュープの理論と技法について実際の場面のDVDを用いて解説され、ご自身がシュープと出会った時のエピソード、シュープの著書を翻訳する契機になったことなどを交えて、シュープの人間観、病気観、治療観に及ぶ深い講義が展開されました。

2日目の大沼の高齢者領域では、高齢者は非常に個人差があることが特徴であること、高齢者にとってダンスの効果についての報告があることを紹介しました。また、セラピストによってアプローチが異なることを説明した上で、予告なしに平井先生にもご登壇いただき、平井先生のアプローチと大沼との違いも体験いただきました。照屋洋先生のドラマでは、正しいということはなく、みんな違ってみんな良いという思想が根底に流れ、一人一人のポーズ作りでも何の衒いもなく素直にポーズができ、それが物語に繋がる楽しい体験でした。また、小道具を用いることで自分本位から他者との協力に視点が向くという意図があり、現代の教育に非常に応用できるものでした。大木亜紗子先生のアレキサンダーテクニークでは今回も指導者の河口志保先生にもお手伝いをいただき、骨格の説明の後、一人ひとり丁寧に触れてもらい楽に立つこと動くことの体験ができました。奥が深いアレキサンダーテクニークはこの時間だけでは足りず、終わってからもしばら個人の相談にのっていただいたり、指導をしていただく人もいたほど、関心が深いものでした。

全体としては意識の高い方たちで、熱心に学ぶ姿に講師側も相乗効果のように熱が入っていくという、大変充実した研修講座でした。ここで出会った方たちと今後も協力し合って、協会の発展につなげられたらと思っています。ご参加ありがとうござました。次回も是非ご参加いただけますようお願い申し上げます。

次回は2019年5月を予定しております。詳細が決まり次第HPにアップさせていただきます。