オンライントーク交流会(第2回)

日本ダンス・セラピー協会
会長 葛西俊治

次回のオンライン「トーク交流」は、11月20日(木) 20時から21時を予定しています。トークを聞いていただくだけでもOKですので、会員の皆さまにご参加いただければ嬉しく思います。

次回も同じく、参加者が自由に発言し応答する場として進めます。なお、話題があまり展開しない場合は、1) ダンスセラピーの実際についての動画が見たい(アンケートでの問い掛け)、2) 11月31日のオンライン大会の楽しみ方、3) 研究活動について、準備しておく予定です。

オンライントーク交流会(第2回)

日時:11月20日(木)20時から21時
会場:Zoom(ログイン情報はメルマガでお知らせします)
参加者:会員のみ
問合せ:執行部 

「トーク交流」2回目の報告

11月22日
葛西俊治

 2回目の「トーク交流」、「簡単な自己紹介や関心のある事、集まりに参加して頂いた状況などをどうぞ-」と鼻カゼの会長の声で始まりました。早速、精神科で最近ダンスセラピーを開始し、毎週40-90分などの時間枠で続けて「すでにネタ切れです…」「鉄板ネタを教えてください!」という懇願がありました。少し間があってから、「セッションの終わりに参加者全員で輪になって、そのままワーッと輪を拡げて、拡がりきったら、ワッ!と言いながら全員ジャンプする―鉄板的な終わり方」の紹介がありました <これは楽しそうです!>。「プログラムの後に、参加者の身体の動きを言葉で書いて記録するのが難しい…」という実情には、「…舞踊学が難しいはその点にあります」という冷静な指摘がされるとともに、ペアの相手の背中に対して「(例えば)パタパタ??」というオノマトペで関わり、相手がカラダで反応、次に「ザワザワ??」と別のオノマトペで関わると、その音に合わせてまるで違う動きの反応が返ってくるという、オノマトペの音による「カラダの動きゴッコ」の紹介がありました。ふと、「カラダ遊び」「ごっこ遊び」をしなくなった悲しい大人の背中が思い浮かびましたが、背中を”cold back”と冷たく捉える欧米人が、背中を通じて関わる日本のダンスセラピーに喜んだというエピソードが心に染みました <…以前は背中パタパタで触れたりなどいろいろありましたね…>

 なお、ダンスセラピーの実際については、アメリカのダンスセラピー協会監修で病棟での様子を撮影した動画があり利用できたことや、トルーディ・シュープのマイム的な楽しい動きの動画もありますーとの情報も <ダンスセラピー動画ライブラリ立ち上げは執行部の願いの一つ…>。

 ダンスセラピー中の動作分析・解析による物理的数値とともに、踊る際の精神状態などや心拍などの生理的指標を把握してダンスセラピーの効果を確認できれば―といった、誰しもが願うDMT効果の研究上の突破方法については、「(数兆にもなる膨大な言語内関連性データから)AIがここまでやれることが分かったので、カラダに動作センサーを大量に付けたり、あるいはマイムのような関節単位等ではない数百個もの大量の動作データが得られれば、ダンスセラピーの身体的効果・心理的効果を確実に示せると思う!」という勇ましい主張も登場しました。「多数の生理的指標も取れればー」「動くとデータはとれない…」「ダンスセラピーらしい感情の把握も!」との指摘に関連して、「(数量的研究とともに) 質的研究によって、言葉にしていくチカラ」の重要性が指摘されました。

 ダンスセラピーでキャッチポールのマネッコをしたら、実際に野球をやっていた人の返球動作が速くて「みんなビックリして目を見開いて驚いたのですが、それは本当にそうだったためで、だから褒めたりということではなくて―」。これは、望ましい反応が起きると褒めるという、古い「強化による条件付け」というネズミ心理学を超えた人間的な賞賛として、ダンスセラピーで得られる手ごたえの一つだと感じました。また「ダンスセラピーの場についての情報は?」という問いに、コロナ禍後は情報発信が少ない状況であることや、一定の条件で見学できる精神科の紹介、最新の翻訳書『からだは語る』の情報提供もありました。

 そうしたやりとりとは別に、自らの身体的事情の中でダンスセラピーに出会った方には「あなた自身にとっての(一人称の)ダンスセラピーは?」と尋ねたかったのですが、すでに終わる時間です。「オンライン画面内で、皆さんがワーッと動いて、ワッ!とやって終わりにしましょう」という無茶振りによる笑いとニココニ顔の混乱の中、「トーク交流」二回目が幕を閉じたのでした。参加された皆さんの発言・コメント・ご協力に心から感謝申し上げます。

(次回は来年1〜3月を予定しています)