第3回「トーク交流」報告

日本ダンス・セラピー協会
会長 葛西俊治

協会活性化活動「トーク交流」の第3回が開催されたので、報告します。
なお、3月に第4回を予定しています。


日時 :2026年1月16日(金)20:00~21:00
参加者:12名
司会 :増山尚美
テーマ:「動きを言葉で把握する難しさ、そして研究へ」
実践・記録・研究に関する話題提供: 石川林太郎さん

<概略>
病院プログラムとしてダンスセラピーを開始した石川さんから、実施内容をどのように記録するか、また研究としてまとめる際の手法についての疑問が提示された。

作業療法士、看護師などダンスセラピーを知らないスタッフには意図が伝わりにくいことがある。文化依存の表現(オノマトペ)が海外では理解されにくいという報告もあった。セラピストがどのような変化を望み、参加者がどう反応したのかを整理して後から見てもわかるようにしておく。また記録することで、第三者にも意味のある資料になるという視点が共有された。

セッション記録の具体例として、町田先生からは、次回に活用するため、セッション後に参加人数・使用音楽・実施プログラムなどをA5ノートへまとめる方法が紹介された。また、JADTA公式テキスト「ダンスセラピーの理論と実践」に貴船先生のセッションを町田先生が記録した例が掲載されていることも紹介された。終了後に、どう導いたかなどセラピスト自身が後から振り返れる形で残すことは助けになる。記録はダンスセラピーを知らない人はわからない、やった人は思い出せる。読んでもわからない・見学する・再度読み返す・自身でやってみるといった循環が理解の深化につながるため、多様な記録の蓄積が参考や手助けになるという意見もあった。

研究としてまとめる際には、ノンバーバル表現の言語化には限界があり、量的研究との相性の難しさが指摘された。芸術大学の紀要では作品発表が多くQRコードやURL、動画を組み合わせた形式が増えていること、OSF(Open Science Framework)のようにデータを共有できるプラットフォームが存在すること、さらにAIの発展により動画と文章を統合した「論動画」の可能性が広がっていることなどが紹介された。また、質的研究を進めている山田美穂先生の取り組みにも触れられ、ダンスセラピーに適した研究方法を探る必要性が示された。

「ダンスセラピーとは何か」を理解するための記述方法は模索が続くが、実践方法を記録し共有することが次世代の育成につながり、ダンスセラピーを広げていく基盤になるという認識が共有された。町田ノートの公開を望む声も上がった。