第19回東京大会

第19回東京大会のお知らせ
第19回東京大会のお知らせ (8/20 更新)

* このイベントは終了しました


第19回東京大会のお知らせ
          第19回東京大会会長  松原 豊
          (こども教育宝仙大学こども教育学部)

 会員の皆様、お元気でいらっしゃいますか? 第18回大阪大会では、大会会長の林先生はじめ事務局の安田さん、大阪体育大学の先生方および学生スタッフの皆さん達の連係プレイのとれた働きによって素晴らしい大会になりました。本当にご苦労様でした。また参加者の熱心なワークショップや研究発表、素敵なゲストによるパフォーマンス、受講者のダンスセラピーに対する真摯な取り組みや情報交換、サービス満点の懇親会など、とても有意義な時間が持てましたことを感謝いたします。
さて、来年度は第19回大会を東京の中野坂上にあるこども教育宝仙大学で開催する予定です。本学は昨年4月に新設されたばかりの保育者養成の単科大学です。施設が小さく不十分な点も多いと思いますが、新宿からも近く、最寄り駅の中野坂上からは徒歩10分以内と、アクセスが便利なこと、宝仙寺に隣り合わせていて心静まる雰囲気などを味わっていただけるかと思っています。
大阪大会ではダンスセラピーに対する実践の積み重ねや興味の拡がりなどを感じましたが、東京大会でもプログラムを工夫し、参加者の御期待に応えられるようにしたいと思います。多くのワークショップ、研究発表など、皆様ふるってご参加くださいますよう心からお待ちしています。

期日:2010年9月4日(土)5日(日)
場所:こども教育宝仙大学こども教育学部
   〒164-8631
   東京都中野区中央2-33-26
   URL http://www.hosen.ac.jp/kodomo/


■ 期日 : 平成22年9月4日(土)~5日(日)
■ 会場 : こども教育宝仙大学
        (東京都中野区中央2-33-26)
■ テーマ: 緑の中にからだをゆだねて
        ~過去に学び未来を展望する~

理事会の開催
● 日時 : 9月3日(金)午後6~9時まで
● 会場 : 未定

懇親会の開催
● 日時 : 9月4日(土)午後6~9時まで
● 会場 : 未定



大会参加費

 
早期割引
(7月31日まで)
8月1日以降
1日参加
会 員
10,000円
12,000円
7,000円
一 般
12,000円
14,000円
8,000円
学 生
5,000円
3,000円
懇親会
5,000円
※1日参加の方は当日、受付にて参加費をお支払い下さい。

大会会長 松原 豊(こども教育宝仙大学こども教育学部)


 大会案内のダウンロードはこちらから ↓ 

[印刷用wordファイル][印刷用pdfファイル][大会ポスターpdfファイル]





日本ダンス・セラピー協会 第19回東京大会

「参加申込票」

申し込み日 2010年  月  日
 
(ふりがな)
お名前
 
勤務先
(所属)
 
参加費

※ 申し込み内訳
□にチェックしてください
 
早期割引
(7月31日まで)
8月1日以降
1日参加
会員
□ 10,000円
□ 12,000円
□4日  □5日
□ 7,000円
一般
□ 12,000円
□ 14,000円
□4日  □5日
□ 8,000円
学生
□ 5,000円
□4日  □5日
□ 3,000円
懇親会
□ 5,000円
お弁当
□ 9/4 お弁当1,000円
□ 9/5 お弁当1,000円
合計お振り込み金額:               円
自由記載欄
※その他ご希望
があれば記入してください。
 
連絡先
住所:〒

TEL:
FAX:
E-mail:
FAX:03-3365-0269松原豊宛





大会参加の申し込み


● 「参加申込票」に必要事項をご記入の上、FAXか郵送にて「こども教育宝仙大学 松原豊宛」にお送り下さい。
● 参加費は同封の振り替え用紙の通信欄に内訳(参加費区分・懇親会など)をご記入の上、郵便局よりお振込み下さい。
● 口座加入者番号:「00110-6-780076 JADTA第19回東京大会事務局」
  ※ 参加者のご都合でキャンセルの場合は返金致しかねますので、予めご了承下さい。


日本ダンス・セラピー協会 第19回東京大会事務局
● 〒164-8631東京都中野区中央2-33-26
   こども教育宝仙大学 松原 豊宛
● E-mail : tokyo2010@jadta.org
● FAX : 03(3365)0269



こども教育宝仙大学へのアクセス

・東京駅(東京メトロ丸ノ内線(荻窪行))→中野坂上(約30分)
・羽田空港(東京モノレール空港快速(浜松町行))→浜松町(徒歩)→大門(都営大江戸線六本木経由(光が丘行))→中野坂上 (約1時間)
・地下鉄丸ノ内線・都営地下鉄大江戸線「中野坂上」駅下車 徒歩8分



宿泊施設のご案内

・事務局では宿泊施設の斡旋は行いません。各自で手配してください。
・中野坂上のホテル:イーストンホテル 〒164-0012東京都中野区本町2-48-13 
                         TEL 03-3378-8022 FAX 03-3378-8024
・その他の宿泊施設は新宿駅、中野駅周辺にあります。






日本ダンス・セラピー協会第19回東京大会プログラム (8/20 追加)

  9月4日(土)
時間(分)
A会場
(1号館音楽演習室)
B会場
(プレイルーム)
C会場
(3号館保育演習室)
  9:30-受付開始    
1 10:00-10:20
20
   開会式  
2 10:30-12:00
90
①牧田リーナ・
  宮平勉
②清水美和子 ③平山久美
  12:00-13:00
60
   昼食
  13:00-14:00
60
   総会 (3号館332)
4 14:10-15:40
90
 大会企画ジェネレーショントーク(3号館332)
5 15:50-17:20
90
④葛西俊治 ⑤浦江千幸 ⑥貴船恵子
  18:00-21:00
180
   懇親会
 
  9月5日(日
時間(分)
A会場
(1号館音楽演習室)
B会場
(プレイルーム)
C会場
(3号館保育演習室)
  9:30-受付開始    
6 10:00-11:30
90
⑦照屋洋 ⑧蒔苗志乃 ⑨長瀬節子
      口頭発表
(1号館141)
(1号館142)
7 11:40-12:00
20
  口頭発表1 松原

シンポジウム
(DTと男性)
  12:00-12:20
20
  口頭発表2 成瀬
  12:20-12:40
20
  口頭発表3 大沼
  12:40-13:30
50
    昼食
8 13:40-15:10
90
⑩竹内実花 ⑪マニシア ⑫高見知英美
  15:20-15:40
20
   閉会式  





プ ロ グ ラ ム



〈 9月4日(土)〉
〈 9月5日(日)〉
実技1、瞑想ダンスワーク「ダンス温泉♪」
     牧田リーナ・宮平勉

実技2、おりんの響きに包まれて
     清水美和子

実技3、セラピスト/カウンセラーの
    “立ち位置”を探る  平山久美

大会企画
 ダンス・セラピー ジェネレーション・トーク

実技4、ミラーリングによる実践技法の展開
     葛西俊治

実技5、国際交流プログラムの実際
     -福祉的なダンスを広めるために  浦江千幸

実技6、身体ごと知るということ
     貴船惠子
実技7、心地よい人間関係づくりのために
     照屋洋
実技8、県の事業に見られる
     人とのコミュニケーションのあり方
     蒔苗志野
実技9、「多くの人が楽しめるダンスって?」
     長瀬節子
発表1、ナンチャッテ・アートから
     ユニバーサル・アートへ  松原豊
発表2、相互交流場面にみられる
     自己調整過程の分析    成瀬九美
発表3、精神科ナイトケアにおけるダンスセラピー
     導入の意義についての一考察  大沼幸子

シンポジウム ダンス・セラピーと男性

実技10、認知症高齢者及び若年性アルツハイマー
      患者(要介護度4)を対象にした
      ダンスセラピーセッション  竹内実花
実技11、シャーマンダンス       マニシア
実技12、ダンスセラピストに必要な洞察力って?
      高見知英美



大会プログラム の印刷はこちら↓

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演題抄録 (発表タイトル・内容)の印刷はこちら↓

印刷用docファイル ◇  ◇ 印刷用pdfファイル





抄 録 


<大会企画>

ダンス・セラピー ジェネレーション・トーク

   日本ダンス・セラピー協会が発足して20年になろうとしています。古風な言い方をすれば二昔です。発足当時に比べて時代は急速に動いています。人の移り変わりも激しいようです。中堅だった人はベテランとして後進の育成に力を注ぎ、若手だった人は中堅として第一線で活躍し、さらに未来を支える若い力が着実に集まってきています。
 そこで、大会企画として、ベテラン、中堅、若手の各世代の代表の方に様々なテーマについて自由に語っていただき、日本のダンス・セラピーおける現状、課題、展望などが明らかになればと思います。



<実技発表>

1、瞑想ダンスワーク「ダンス温泉♪」

     牧田リーナ・宮平 勉(イチャリバ・ダンス)

 カラダには本来からだの叡智があります。
 日常の様々な瞬間のことをカラダはよく知っています。
 友人とのケンカのイライラ、仕事のストレス、失恋のショック・・・
、  表現できなかった感情や思いは、知らず知らずのうちにカラダに溜め込まれています。
 「こうあるべき」を優先しているうちに自分の本当の気持ちがわからなくなり、自分を見失い、病気の元になったりもします。
 カラダの声を聴いて感じるままに動かすことや、言葉にならないものをカラダで表現することは、そうしたカタマリをやさしく溶かして解放するのを助けてくれます。
 自分の中心から流れてくるエネルギーに意識を向け、動かすのではなく、動きが起きるに任せ、動きとひとつになりましょう。
 東西の様々な瞑想技法とダンスを組み合わせたプログラムを毎月開催しています。  毎回参加者を募り、瞑想が始めての方や、ダンスが苦手な方でも自由に動いていけるように工夫しています。



2、おりんの響きに包まれて

      清水美和子(清水ダンスムーブメント・アトリエ)



3、セラピスト/カウンセラーの“立ち位置”を探る
  ~心理カウンセラー養成講座での実践~

     平山久美(NPO法人 医療心理協会/LABO.93)

   『心理カウンセラー養成講座』において行っている講座の実践を紹介する。
 現在行っている講座では、如何にクライアントと接するのか、如何にカウンセラーペルソナを破るのかということを、身体を使い“体感”できるように構成している。
 カウンセラーやセラピストという立場を目指すもの者は、理論や口頭だけでは理解しえない、実践での空間的感覚、他者との身体感覚を理解する必要性がある。それは、机上理論や、口頭説明だけでは、体得することはできないのではないだろうか。いきなり実践を行う前に、少し違った方法でそれを体験することが可能なのではないかと、始めたのが本講座であった。
 それでは、どう“体感”するのか。俳優養成メソッドを利用し、他者の感情、感覚を受け取り、受け渡す訓練を体験してもらう。これと言った意味のあるセリフはないし、扱うのは本人の身体表現(マイム)が主だ。言語が無くても、人はコミュニケーションができる。マイムが発展し、ダンスになり、新たなキャラクターを生み、違う自分を発見する行程はダンスムーヴメントセラピーの本質と全く同じものだと思う。この機会に、ダンスセラピーへどのように転化していけるのか、どう対応できるのか、参加者の皆さんと検討する場としたい。



4、ミラーリングによる実践技法の展開
  ― ミラーニューロン研究と間身体性の観点から ―

     葛西俊治 (札幌学院大学)

 1996年、相手の動作を見ているだけでその動作を自ら行ったかのように活動する神経細胞がサルによる実験で確認されミラー・ニューロン mirror neuronと名付けられ、ヒトにも同種の神経活動が確認された。ミラー・ニューロン活動は他者認知の根拠と見なされたり、「心の理論 (Theory of Mindまたはsimulation 理論)」を促進させつつ、自閉症との関連などの研究が鋭意進められている。
   ミラー・ニューロンによって他者の動作がそのまま観察者に「身映しされる」状況が創り出されると想定されることから、ミラーリング技法を自他の融合・分離、他者との共振的行動反響、変性意識状態といった視点からあらためて再構築する必要がある。
 この発表では、ミラー・ニューロンに関わる研究にふれながら関連する実践技法を紹介する。



5、国際交流プログラムの実際-福祉的なダンスを広めるために

     浦江千幸(BTRD)

 私は十年以上前から中国・韓国との交流を行なってきました。目的はわたしどもの開発した福祉的なダンスを中国へ広めるとともにダンスを通して交流を図るというものです。
 そのためには日本の踊り文化についての説明から初めて歴史的なもの、いろいろな踊りの実際についても紹介しなければならなくなります。また、福祉的なダンスは中国にはまだ存在していません。そして受け入れられる機関もまだ整備されていません。そこでまず教育的な機関と中日が触れ合う場所で授業を行なってきました。昨年の発表で2008年の上海戯劇学院での授業の様子を報告しましたが、今回は北京体育大学及び長春日中ふれあいの場などで実践をしましたので、その実際に即してどのような授業をしたかをご紹介したいと思います。
 ダンスを通した国際交流などに関心のある方、福祉的なダンスに興味のある方は是非お越しください。



6、身体ごと知るということ

        貴船惠子(フリー)



7、心地よい人間関係づくりのために

     照屋 洋(調布市立第六中学校)



8、県の事業に見られる人とのコミュニケーションのあり方
    ~ほほえみプロデュースとムーブメント~

     蒔苗志野(舞鼓動)

 青森県の推進事業の中に「ほほえみプロディース」というのがありました。その講習や体験を参加者にしてもらって、日常生活の中でも必要なものですが、セラピストや講師の方々にはもちろん不可欠な言葉の使い方をもう一度考えてみてはいかがでしょうか。
 一人ぐらしのお年寄りから小さな子供のいる家族の皆さん、世代を越えたたくさんの人々とのコミュニケーションをとる中で、不安や安心などの心の変化を体験してもらい集団での感想や個人的な感想を出してもらいながら、ここに集い暮らす人々の心の変化に衆目していただきたいです。県のアンケート等も参考にしていただきながら、全国各地同じ問題にとりくまれていると思うので、これからも微力ながらお手伝いできたらよいかと思います。



9、「多くの人が楽しめるダンスって?」

     長瀬節子(山梨県立富士見支援学校)

 ある調査では、不登校ぎみの中学生に「体育嫌い」の傾向があり、運動種目では「球技」が苦手と出ている。又、運動で良い結果を出せた経験が少なかったとも答えている。
    筆者は心身症等の小・中学生も担当しており、体育や運動部の活動で傷ついた体験を聞く事がある。そこで、競争や優劣が付きにくい体ほぐしやダンスを実践してきたが、スポーツには消極的な子供が楽しそうに動く。
 今回、筆者の実践を紹介しながら、多くの人にダンスを楽しんでもらえる取り組みをみなさんと共に考えていきたい。
○ 実践紹介例
・ウオーキング(いろんな方向に、そしてサプライズも入れながらリラックス)
・からだほぐし(背中合わせのワークを中心に二人でコミュニケーション)
・Jポップでダンス(リズムに誘われて出てきた動きを、みんなで、二人でミラーリング)



10、認知症高齢者及び若年性アルツハイマー患者(要介護度4)を対象にした
    ダンスセラピーセッション

      竹内実花(竹内実花BUTOH研究所)

精神科ディケアに開設された施設で、認知症高齢者と若年性アルツハイマー患者を対象としたダンスセラピーセッションを2002年から指導している(毎週一回2時間)。参加者の多くは要介護度4と高く、言葉でのコミュニケーションや指導では一緒にセッションを行うことも困難なので、参加者の無意識的な反応や不安などを丁寧に感じ取りながら、穏やかで楽しい時間となるようにプログラムを構成している。
発表では安全と安心を基本とする進め方を体験してもらい、問題行動とみなされがちな参加者の反応やあり方についてどのように進めていくかのポイントを紹介する。

11、シャーマンダンス

         マニシア(WaLEwalewOrks)

 アメリカの子どもたちの会話の中で、「あの子は去年まで恥ずかしがり屋だったけどもう治った」と病気が治ったような言い方をしているようなことがあった。
 日本では、恥ずかしがり屋をたとえ異常な程であっても社会が受け入れているように思われる。踊ることを非日常的としている人々に対するアプローチ法として、恥ずかしがり屋を「踊る気にさせる」ようなセッションの目標を近くにおいて考えてみる。人前で歌えなかった人物がサングラスをかけると歌えるようになる、と誰しも耳にしたことがあると思う。このことをアイディアの根源に、不登校のティーンズや育児放棄や虐待を受けた子どもたちへのセッションで試みた「踊る気にさせる」フェイスアートを本ワークショップでは体験してもらう。
 フェイスアートとシャーマニズム的シナリオで「祈り」をテーマにセッションのピークを迎える。心と身体のクールダウンとして瞑想的リラクゼーション、そしてシェアリングまでの時間の配分に集中していきたい。



12、ダンスセラピストに必要な洞察力って?

        高見知英美(小金井病院ダンスセラピスト)

 今年3月、慶応大学で「文学とダンスのワークショップ」に参加したときのこと。概略は、ペアを組み動く人と観察する人に分かれて、ワーク後、その様子の感想を言い合う(他のグループも聞いている)というものです。参加者は、通信教育で文学の授業をとっている人、学生、社交ダンサーなど。この感想の中身が気になりました。楽しそうに舞っている蝶や植物の発芽にたとえる人と初め苦しそうだったが足から解放されていったなど体の呼吸、筋肉やエネルギー部分を見ようとする人がいました。
 さて、そこで今回のワークでは、ダンスフレーム(振りや型)とダンスエレメント(呼吸筋肉、エネルギーなど)を分けて知ることで、ワークの中で対象者に起こっていることを把握することが容易になるのではと考え、実験的ワークをしてみたいと思います。
 自分の殻をやぶりたい!普段できないことをしてみたい!非常識になりたい!などなど、一緒にワークができること楽しみにしています!!



<口頭発表>

1、ナンチャッテ・アートからユニバーサル・アートへ

        松原 豊(こども教育宝仙大学)

 ダンス・セラピーは芸術療法の分野に含まれていることは周知の通りである。当然アートとしての側面をもっているのだが、アートを行おうとする場合、アートは日常生活とはかけはなれた難しいもの、高度な技術が必要なものと考えられてしまいがちである。水戸芸術館現代美術センター主任学芸員の森司氏はこの点について「アートが、日常生活において遠くに押しやられる存在ではなくなり、日常の中の選択肢となり、時に鑑賞し、時に参加し、時に批評する対象になればと願う。」と述べている。
 そこで、今回の発表では日常生活の中で気軽に手軽に実施できるアート体験をナンチャッテ・アートと名付け、そこからより専門性の高いユニバーサル・アートへ発展していく方法について提案したい。



2、相互交流場面にみられる自己調整過程の分析

          成瀬九美(奈良女子大学文学部)

 間主観性と呼ばれる個体間の非言語的で暗黙的な疎通性や身体的同調は「二つの生成的構造の間にはたらく構造の交渉の原理」として現象学的に語られてきたが、近年のミラーニューロンの発見により、具体的関心が高まってきている。ダンス/ムーブメントセラピーのセッションでは、セラピストとクライアント(メンバー)の動きを主とする相互交流が展開され、対他的並びに対自的効果を生みだす。このとき、Beebeら(1999、2003)の “Midrange Model of Self- and Interactive Regulation”において指摘されるように、交流は他者への過剰なモニターが要求され過ぎないように、また自己調整は維持されつつも相互交流の感受を犠牲にした没頭になり過ぎないように、中等度に保たれることが必要である。他者と相互に関わりながら自主的かつ選択的に行う自己調整の体験は、その積み重ねにより自律性の獲得が期待できる。
 本研究は、タッピング課題、手合わせ課題などを用いて、人と人の交流場面に生じる個別の身体が行う時間的,空間的調整過程の分析を試みる。



3、精神科ナイトケアにおけるダンスセラピー導入の意義についての一考察

          大沼幸子(東北福祉大学)

 ナイトケアは、精神障害者の社会生活機能の回復を目的とする精神科専門療法とされている。筆者が担当しているクリニックのナイトケアでは、休職中の人や復職後のリハビリテーションに力を入れ、ダンスセラピー、認知行動療法、レクリエーションの3つを柱として週に一度(4時間)集団精神療法を実施している。
 今回、ナイトケアにおけるダンスセラピーが、参加者にどのように受け止められているのかアンケート調査を行った。少人数グループのため、データ数は少ないが、どのような形式のダンスが好みか、ダンスセラピーは自分にとってどのような効果があるのか、また、これまで8年間継続してきた経過と内容を紹介し、ナイトケアにおけるダンスセラピー導入の意義について考察したい。



<シンポジウム>

ダンス・セラピーと男性

 日本におけるダンス・セラピーの特徴として、他の国と比較して男性の参加率が高いことがあげられる。協会に所属している男性会員の割合も多く、講習会、ワークショップなどへの参加も少なくないようである。
 昨年の大会においても同テーマで男性の参加による効果、影響、あるいは男性のセラピストの役割などについて検討したが、今回はそれらの要因などについてより具体的な討議を行いたい。