2017年 ダンスセラピスト地域派遣事業助成金採択事業

ダンスセラピー体験ワークショップ in 京都

廣瀬 優希

企画責任者:廣瀬 優希
所  属:八幡市教育支援センター・ウエノ診療所
派遣ダンスセラピスト:鍛冶 美幸
所  属:東京ダンスセラピープロジェクト
活動場所:京都府宇治市 京都文教大学 最勝殿
日  時:2017年7月30日 10時~16時

 私は、京都でダンス/ムーブメントセラピーを研究テーマに臨床心理学を学び、現在も京都で臨床心理士として勤めつつ、ダンス/ムーブメントセラピーも実践させていただいている。そんな中いつも感じていたのは、心理臨床に精通し深く浸透している京都であり、様々な学会やワークショップも多く開催されながらもダンス/ムーブメントセラピーを知る人は数少ないことへの遣り切れないようなもどかしい思いでした。その京都で、私の母校である京都文教大学にてダンスセラピー体験ワークショップを鍛冶先生と開催出来たことはとても明るい兆しのような気が致しました。昨年も第一回目となるワークショップを開催いたしましたが、今回のような助成金を戴いての開催は京都でも初のことであり、とても心強い後押しとなりました。

 当日の参加メンバーは、臨床心理の大学院生、臨床心理士や作業療法士、大学教員など様々な領域の様々な立場にある方々が集まり、とても豊かなメンバー構成となりました。そのうちリピーターの方が2名おられたことも嬉しい限りでした。

 例年以上に賑やかに蝉の大合唱が響く中、最勝殿という畳の部屋に集まり、自己紹介からスタートいたしました。皆さまそれぞれに思いがある中で、「ダンス/ムーブメントセラピーの要素を仕事の中で活かせることがあれば」「自身の研究や学びの一つになれば」などの声が多く聞かれ、今までやこれからの自分にとって何かヒントを得に来られた印象を強く受けました。それから、最勝殿という場を身体で知り、馴染むこと、自分の身体や人を感じる事にじっくりと時間をかけて緊張を緩めていくと、メンバー一人一人が心身ともにとても素直に開かれ、今の自分を体や言葉で表しながら自分にも他者にも正直にそこにあれた気がし、安心してそれでいいのだと受け入れ合う場が作られていたように感じました。鍛冶先生が一つ一つのワークにおいて、今、この場で、この心身に、このメンバーの中に何が起きているのかを繊細に取り上げて扱ってくださることで個人とグループの体験は深まり、とても豊かに展開されていきました。

 感想では、「もっと知りたいと思った」「有意義な体験だった」「難しいと思うこともあったが体験出来て良かった」という声やダンス/ムーブメントセラピーの可能性に興味を持ってくださる声、リピーターの方では、「前回とは違う気付きがあった」「前回分からなかったものが今回わかるようになっていた」などの声が聞かれ、今年もまたダンス/ムーブメントセラピーを知り体験した人、さらに深めた人が出来たことを嬉しく、有難いことだとしみじみと感じました。

 このような有意義なワークショップが出来ましたのも、温かく豊かなワークを提供してくださった鍛冶先生と協会のお力添えがあったからこそであり、心より感謝御礼申し上げます。  このワークショップを今回だけで終わらせず継続していくことが、京都の地にもダンス/ムーブメントセラピーを広げ根付かせていくのもになると思い、今後も協会のご協力を賜りながら回を重ねていけたらと思います。

(JADTA News 128より)