平成26年度ダンスセラピスト地域派遣事業報告

田中恵美子
(ダンスセラピー・ワークショップPetit Pas)

第三回地域派遣事業の報告です

タイトル :「他者との関わりの中で映し出される内的世界について」
開催日  :H26年12月6日
開催場所 :大阪府堺市
企画責任者:田中恵美子
派遣セラピスト:荒川香代子

私はダンス/ムーブメントセラピーを体験する傍ら、荒川香代子氏主催のダンス/ムーブメントセラピー講座にて学び、このほど全過程を修了したところです。長く一緒に踊ってきた淡野 登志と一昨年ダンスセラピー・ワークショップPetit Pasを立ち上げ、大阪で月1回、ダンス/ムーブメントセラピーの会を継続しています。今回は、昨年末12月6日(土)にダンスセラピー/ワーキンググループ”プロセス”の後援を得て、昨年に引き続き、ボディ・マインド ヘルスセンターの荒川香代子氏を大阪に招いてワークを開催し体験することができたので報告いたします。

当日配布されたレジメの内容は豊かで、さまざまなイメージを掻き立てられましたが、私はその中で、特に『私たちは他者と出会う時、何らかの不安がよぎるものだが、不安を消すのではなく巻き込まれない程度の水準をみいだし、保つことや、心の内と外の現実とのバランスを促し、維持することをダンス/ムーブメントがどのようにあなたを導いてくれるか・・・今回はこうしたことを探索していきたいと思います』というところに引かれて、動き始めたように記憶しています。

ワークの流れは自然で、呼吸やサウンディングからストレッチや表現的な活動へと無理なく進み、自分のイメージに添いながら、何度かペアやグループで踊ることを繰り返すうちに、自分が日頃感じていた、もやもやとしたものが少しずつはっきりと表れてきたようでした。また体験したことを言葉にすることで、更に自分の内外に広げたり深めたりして確認もできて、自分の知らない自分を見つけたような興味深い体験でした。それはレジメに書かれていたような、『不安を消すことなく巻き込まれない程度の水準を見出した』私と出会ったことなのかもしれません。4時間のワークはあっという間に過ぎて、気づけばもうお別れの時間でした。会場を後にする時、とっぷりと暮れてしまった外の景色が見えましたが、自分の内側は少し明るさを加えて温かくなっているように感じました。

参加者もそれぞれ深く自分の内的世界を体験されたことは、アンケートからも伝わってきて、良い時間を共有できたことを嬉しく思いました。

私は日本ダンス・セラピー協会に入会したばかりですが、ダンス/ムーブメントセラピーを学ぶだけでなく、自ら企画できたことは大きな自信になりました。助成を申請したのはワークの直前でしたし、助成を決定いただけたのはワーク後でしたので、通知が届くまではハラハラしていましたが、参加者の皆さんにもご協力いただきながら、参加費を抑えることができたのはラッキーでした。また助成金が増額されたことは、この参加費抑制に大いに役立ち嬉しかったです。

当日飛び入り参加の人や遠くから参加された方がおられた一方で、この機会を楽しみにされながら仕事や他の予定と重なって参加できなかった方もおられ、このような場をまた持ちたいなと思います。この経験を生かし、今後もPetit Pasで体験を深めながら、講習会の企画にもがんばっていきたいと考えています。参加者の地元に講師が来ていただけるのは、

地域にDMTを広げていくために、とても良い取り組みと感謝しています。

以上

(JADTA News 116より)