書籍

『思春期・青年期のこころとからだ 自分と出会うためのワークブック』

鍛冶美幸著、岩崎学術出版社、2012

筆者は心理学の基本について、とてもやさしく書いておられるので、心理学に関する知識不足を理解しやすい形で取り入れられました。

それも理論を読んで理解するだけではなく、簡単なエクササイズや描画などのワークをするなど、自分のペースで主体的に把握していけるため、理解がより進むように思えます。

私は読みながらワークをしていきましたが、全編読んでからワークをしても、またワークだけ先にして本文を読み進めても、無理なく身についていくのではないでしょうか?

自分で主体的に進められるということは、思春期・青年期の学生対象の書物であったとしても、50代の私にも無理なく適応でき、それは私が密やかにワークをしていたところを見た職場の作業療法士氏が「何を楽しそうにしてるの?」と声をかけてくれたことにも示されているようです。ほんの少し前まで青年期であったはずの私としては、出会ったつもりの自分ともう一度角度を変えて出会ってみたり、あわただしい毎日の中に置いてきぼりにしてしまった自分に向き合ったりした気分も味わえました。

その上、思春期・青年期の子を持つ親として、正確には青年期の人と暮らす中年として、今時の彼らのからだや心に向き合う術を確認できたようにも思えました。

著者が若い人たちの「からだ」と「こころ」をつなぐことを目的にこの本を書かれたのではないかと読みながら想像していたところ、あとがきにはっきりとそのことが記されていてなるほどと納得できました。そうした心理学の観点からダンス/ムーブメントセラピーを精査する作業はとても大切で今後ますます必要とされるのではないでしょうか?ダンス/ムーブメントセラピーを志向する私たちが、心身両面からクライエントに関わり続ける、その繊細で息の長いプロセスを豊かにしていくために、こうした書物がさらに出版されて、私たちの学びが深まるよう願っています。

評者:川岸恵子

(JADTA News No. 103より転載)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です