認定資格について
この「資格QandAコーナー」では、資格制度の基本的な内容とこれまでに寄せられた一般的な質問についての回答を載せています。
3種類の協会認定資格の概要(表)
名称 | ダンスセラピー・ リーダー(DTL) | アソシエイト・ ダンスセラピスト(ADT) | ダンスセラピスト(DT) | |
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職 域 | 臨床でのセラピスト補佐および自身の専門領域でのダンスセラピー的アプローチの活用 | 臨床でのダンスセラピーの実践 | 臨床でのダンスセラピーの実践・指導および教育(スーパービジョンの実施、単位認定講習会開催) | |
必要な単位取得領域 | ダンスセラピー 基礎論 | 4単位以上 (必修科目から) | 8単位以上 (必修科目) | 12単位以上 (必修8単位を含む) |
ダンスセラピー 実践論 | 4単位以上 | 4単位以上 | 12単位以上 | |
精神身体 医学論 | 不問 | 8単位以上 | 16単位以上 | |
ダンスセラピー 実践技法 | 8単位以上 | 10単位以上 | 20単位以上 | |
総単位数 | 16単位以上 | 30単位以上 | 60単位以上 | |
舞踊経験 | 問わない | 100時間以上 (モダンダンスなどの自由な創造的身体表現を主とするダンス50時間以上、その他のダンスが50時間以上) | 100時間以上 (モダンダンスなどの自由な創造的身体表現を主とするダンス50時間以上、その他のダンスが50時間以上) | |
臨床経験 | 不問 | 50時間以上 | 200~600時間以上 | |
実技審査 | なし | あり | あり | |
推薦状 | 不問 | 2通(所属長・協会理事) | 1通(所属長) | |
協会在籍期間 | 不問(但し登録時は協会員であること) | 2年以上 | 3年以上 | |
年次大会参加歴 | 不問 | 1回以上 | 2回以上 | |
年次大会発表歴 | 不問 | 不問 | 1回以上 | |
申請料 | 5,000円(学生2,000円)(団体申請料は別途設定) | 10,000円 | 15,000円 | |
登録料 | 10,000円 (学生5,000円) | 20,000円 | 30,000円 | |
資格更新手続き | 不問 | 不問 | 5年毎 *5年間に2回の年次大会参加、1回の発表が更新条件 | |
以下省略。詳しくは下記「資格制度解説書」をご覧下さい |
よくある質問
必要な単位は? → 研修会などで取得
日本ダンス・セラピー協会では、基礎論・実践論・精神身体医学論の単位となる科目を「協会が主催する研修講座」に参加することで取得できるようにしています。 (東京圏にて年2回開催されています。科目名や単位数については、「研修講座」の内容をご参照下さい)なお、協会以外にダンスセラピスト資格者やダンスセラピスト資格者が関係する団体による研修会についても、そこでの習得単位が認められる場合があります。
協会主催以外の場合、そうした講座や研修会での履修実績(証明書)がそのまま協会の履修科目として認定される科目類と、主催者・主催団体が事前に委員会に申し出て、「単位が認定される講座」としての承認を受ける必要のある科目・場合とがあります。
臨床経験とは? → 医療、福祉、教育領域などでの実践または指導時間数
「臨床経験」とは、医療、福祉、教育領域などにおいて、ダンスセラピー及びそれに準ずる内容のプログラ ムを実践または指導した経験をいいます。アメリカにおけるダンスセラピーは精神科領域での有効性が確認されて発展してきました。そのため、ダンスセラピーは心理療法の一つとして、人間の心理を 扱うために必要な学習と実際の指導経験とを重視しています。
医療領域以外の指導経験としては、福祉・療育・教育・地域・アートなどの領域での指導経験についても、実際の指導内容や指導状況に基づいて「臨床経験」 として認められます。 必要に応じて資格委員会がそうした判断を行います。その際、「医療領域以外」で実践してこられた方は、「そうした実践がダンスセラピー的な活動であるこ とを小論文にまとめること」及び「ダンスセラピストが医療領域で行う実際のセッションを見学しレポートを提出すること」などの要件があります。
実践技法はどこで習う? → 大会及び認定講座などで習得
ここでいう「実践技法」とは、ダンスセラピーのセッションを指導する際に、実際にその内容を構成するために用いられる以下の5種類の科目のことです。
1. 協会認定セラピストの実践技法
芙二式ダンスセラピー、ボディートーク、岩下湖南メソッド、 ファンタジーセラピー、ボディラーニングセラピーなど
2. 心理療法をベースとする実践技法
リラクセーション技法、イメージ法など
3. アメリカなど海外のダンスセラピー関連技法
チェイスメソッド、動作分析法、オーセンティックムーブメントなど
4. 多様なダンスを基盤とする実践技法
コンテンポラリーダンス、舞踏、モダンダンス、社交ダンス、盆踊り、民謡、伝統的舞踊、クラシックバレエなどの技法を応用したダンスセラピーのワークショップにおける技法
5. 対象者に特化した実践技法
精神科領域、心療内科領域、知的障害領域、高齢者領域、>身体障害領域、生涯教育領域、その他の領域のワークショップにおける技法
年次大会での「実技形式の発表」へ参加しその証明を受けることによって、「実践技法」の単位として認められます(2006年度以降)。また、2008年度から、「実技形式の発表」について、その発表者は発表時間の二倍の時間数が「実践技法」の単位として認められます。「実践技法」は、この他には協会主催の認定講座で習得することができますし、個人及び他団体が主催する講習会などで受講証が発行されるものの実技科目(技法・指導法を含む)が該当する場合もあります。(そうした判断は資格委員会が担当しています)
なお、ここで説明している「実践技法」の他に、二種類のダンス・踊りについての「舞踊経験」(それぞれ50時間以上)が資格取得要件となっています。(ダンスセラピー・リーダーは除く)
協会主催以外の講座や講習会での単位取得とは
協会が主催する講座や研修会では、体験や学習内容によって単位が付与される場合はその旨を表示しています。それに対して、協会主催ではない場合で「日本ダンス・セラピー協会の資格要件単位となる」とうたっている場合は、そこでの体験や学習内容が「下記のどの科目について協会資格取得のための単位」として認定されるのかを主催者・主催団体にお尋ねください。
- 「ダンスセラピー基礎論」は協会主催または協会が認証する講座などに限定。
- 「ダンスセラピー実践論」は協会認定講師による指導に限定。
- 「精神身体医学論」は教育機関・セミナーなどで取得可。
- 「実践技法」は他団体などで受講証が発行されるものも可。
ダンスセラピー・リーダー資格について
ダンスセラピスト資格、アソシエイト・ダンスセラピスト資格は、所定の単位と所定の時間数の実践経験(「臨床経験」)が資格要件の柱となっています。それに対して、ダンスセラピー・リーダー資格では、「所定の単位数」のみで、実践経験についての要件はありません。
この資格は、「臨床でのセラピスト補佐および自身の専門領域でのダンスセラピー的アプローチの活用」と位置づけられています。自身の活動の中にダンスセラピー的な内容を取り込んでいる方や、これからそうした方向に向かう方に対して、ダンスセラピーについての基礎的な理解を深めてもらい、そうした学習実績を基礎的な資格として認定するものです。
資格要件の表にあるように、合計で16単位 (基礎論、実践論、実践技法) の講習を受けることにより認定されます。資格の申請時には協会会員となる必要があります(研修講座主催団体が賛助会員の場合を除く)。なお、資格取得後、協会会員でなくなっても資格は保持されます。
基礎論と実践論は「協会認定講師による指導」に限定されています。主要な機会としては、a)協会主催の研修講座(東京・大阪)ですが、その他では、b)東京福祉専門学校での該当講義、c)各地での認定講師による研修講座(札幌での実施歴あり)となっています。
なお、一度修得した科目と単位数は、その上の資格である「アソシエイト・ダンスセラピスト」そして、さらに「ダンスセラピスト」の資格取得に際して、すでに修得済みの単位して認定されます。
資格取得を目指される方へ
資格を取得するためには、ダンスセラピーに関係する領域について学習して、いくつかの領域においてそれぞれ必要な「単位」を取得しなければなりません。それには協会などが主 催する「研修講座」に参加するという方法があります。
資格取得の条件には、「協会への在籍」「在籍年数」「年次大会への参加」「年次大会での発表」や「舞踊経験」などもあります。(資格種別によって必要な内容が異なります) そのため、資格取得を思い立ったならば、まず「協会の会員になること」をお勧めいたします。
ダンスセラピーには、様々な定義や考え方や実践内容がありますし、ダンスセラピーの対象者がどういう人達なのかによってもその内容がしばしば異なります。そのため、ダンスセラピーとはどのような内容のものなのかを正しく把握するためにも「年次大会に参加すること」をお勧めします。(非会員の方も参加できます)
毎年、行われる二日前後の協会の年次大会では、「研究内容について口頭発表」と「ダンスセラピーのセッションを実際に指導する形式での発表」が行われ ています。
実技形式の発表に参加すると、様々な「ダンスセラピー」のセッションを実際に体験することができます。二日間で最大5-7種類の異なった実技発表を体験できることもあり、貴重な体験の場となります。ダンスセラピーの対象者(年齢、状況、障害の有無など)により異なる様々な内容を体験し理解を深めることができます。
会員には会報である「ニュースレター」が年四回、郵送されるので、大会や研修講座、その他のダンスセラピーに関係するイベントの情報に接することができます。
また、一番下のメルアドから資格取得に関する細かな質問をすることができます。
ダンスセラピーに関心があるけれども特に経験が無い方へ
上に示した理由により、まずは協会の会員になることをお勧めいたします。 あるいは年次大会に参加してみることをお勧めいたします。 または、研修講座に出席して、ダンスセラピーについて学習を始めてみてはいかがでしょうか。 なお、研修講座は身体心理的な療法としてのダンスセラピーについて、その理論と実際について説明が行われるので、あらかじめ心理学や関連領域の勉強をしておくと理解がしやすいでしょう。また、ダンスセラピーの資格取得のためには、もちろん「舞踊経験」も必要とされますので、そうした実践もかかせません。ダンスセラピー及びそれに準ずる活動を実践されている方へ
協会の会員となり、まずは「ダンスセラピー・リーダー」を目指してみてください。あるいは、すでに実績 (および所定の単位修得) のある方は「アソシエイト・ダンスセラピスト」資格にトライすることもできます。 また、すでに何年間もダンス・セラピーやそれに準ずる指導経験のおありの方は、「ダンスセラピスト」資格も射程に入ることも考えられます。(所定の会員期間などその他の要件があります) いずれの資格の場合も、ダンスセラピーを指導するために必要な科目についての「単位取得」と、実際に現場で指導をしているという「臨床経験」(実際の指導)という二つの領域において、必要な単位数および経験時間数を満たすことが基本的な条件となります。 そのほかの必要な条件をも全て満たしている場合は、資格取得のための申請を行ってください。(取り寄せた申請書類一式に記入し、受付期間内に申請をします。) 申請が受理された場合は、「実技」試験を受けることになります。これは実際にダンスセラピーのセッションを指導するという形式での試験です。(実技試験以外の試験はありません。) なお、ご自身の指導内容や指導経験が「ダンスセラピー」に準ずるものであるか否かについては、会員専用サイトにある「資格コーナー」でその詳細についてお尋ねください。ダンス関係の活動をされている方へ
ダンス関係の活動をされている方からは、特に「ダンスとダンスセラピーの違い」について関心が寄せられています。 *ダンスセラピーの対象者は広範囲にわたり、アプローチの方法も多岐にわたるため、ダンスセラピーの包括的な定義は簡単ではないことをお断りしておきます。以下は、一つの参考としてお読み頂ければと思います。 ダンスセラピーでは、ダンスを指導することは主要な目的ではありません。様々なダンスがありそうしたダンスを習っている方、指導をされている方、そうしたダンスの普及に尽力されている方まで、様々な取り組みがあります。そのいずれも「ダンスの習熟・指導」ということが柱の一つになっているのに対して、ダンスセラピーでは「ダンスの習熟・指導」はおおむね副次的な位置づけになっています。つまり、「ダンスの指導」はそれ自体が目的なのではなく、ダンスセラピーを実践する際の道具立ての一つということになります。*ダンスセラピストとアソシエイト・ダンスセラピスト資格では、二つの異なるダンス経験が資格要件となっています。その理由は、ダンスに含まれている身体的なあり方についての実践的経験がセラピーの場面において貴重な資源として利用できるからに他なりません。 ダンスセラピーのセッションを受ける方のことを想定してみてください。 その方は「身体を動かしてストレス発散や運動不足の解消を必要としている方」でしょうか。「生活や仕事や育児や介護などに疲れ果てている方」でしょうか。「日常を超えたアート的な世界で過ごしたい」と感じている方でしょうか。それとも病気や障害を含めて「様々な身心の問題を少しでも改善したい」と願っている方でしょうか。いずれの状況でも、「ダンスの習熟・指導」ということでは解消できない、改善できない事柄が含まれているものです。そうした方は、ダンスが上手になりたいのではなく、たとえばダンスや動きなどの身体的な体験やそうした活動を通じて、自身の状況の改善やそのための手がかりを探していることが考えられます。ダンスセラピーとは何か?という一般的な質問に先立って、1)自分はどういう人達に関心があるのか、2)そうした人々のどんな問題の改善に関心があるのか、そして、3)そうした人達をどのようにサポートしていきたいのか等、自分自身が関心をもっている事柄を振り返ってみます。そうした関心は少なくとも以下の領域の一つに関わるものとなるでしょう。たとえば、ダンスおよびダンス活動はおおむね「Ⅴ.生涯教育(健康)領域」に該当するといえますが、あなたの関心はそれ以外の領域への広がりをもっているかもしれません。 日本ダンス・セラピー協会は次の六つの領域における「ダンスセラピー」の実践、指導、研究、交流の発展を目的としています。(この中の一つを専門的に実践されている方から、幅広い領域にわたって実践されている方もおられます。) [ダンスセラピストの活動内容と領域]- Ⅰ.精神科・心療内科領域
- Ⅱ.高齢者領域
- Ⅲ.知的障害領域
- Ⅳ.身体障害領域
- Ⅴ.生涯教育(健康)領域
- Ⅵ.その他の領域 (例:子育て支援、がん患者、ターミナルケア、サイコドラマ、芸術療法など)
認定資格についてのお問い合わせ
一般的な質問については、この「資格についてのQandA」コーナーに解説を載せて回答といたします。事務局に届いた質問は資格認定委員会あるいは資格制度委員会の検討を経てこのコーナーに順次追加していきます。ただし、個人宛にメールで回答することはいたしませんのでご了承下さい。
日本ダンス・セラピー協会の三つの認定資格がどのような内容なのか、あるいは取得に関する詳細について協会事務局にたびたび質問が届きます。様々な質問がありますが、資格取得をめぐって次のような状況がありますので個人宛の回答は行っておりません。また協会事務局は入会や年会費などの事務手続きを行う部署であり、資格に関する問い合わせには直接対応しておりませんのでご承知おき下さい。
資格取得に必要な協会在籍期間の中で疑問を解決して下さい。
ダンスセラピスト、アソシエイト・ダンスセラピストの資格要件として「協会在籍期間」があります。ダンスセラピスト資格に必要な在籍期間は「3年以上」、アソシエイト・ダンスセラピスト資格に必要な在籍期間は「2年以上」となっています。
さらに年次大会参加歴と大会発表歴という要件もあります。前者では「年次大会参加歴二回以上。大会発表歴一回以上」、後者では「年次大会参加歴一回以上」となっています。資格取得のためには、このように協会のイベントである年次大会や単位取得のための研修講座に参加する必要があります。
少なくとも2年以上にわたるこうした活動や経験の中で、資格制度に関する基本的な理解が培われるとともに、協会関係者やダンスセラピスト資格取得者などに具体的な事柄を尋ねる機会も数多くあります。資格取得に関する個別的な疑問や質問はこうした活動の中で解決して頂いております。
(ダンスセラピー・リーダーについてはこちらをご覧下さい→[ダンスセラピー・リーダー資格要件])
会員で資格取得を目指している方には、下記メルアドより回答いたします。
日本ダンス・セラピー協会 資格認定委員会 (受付専用)