第26回研修講座 報告

投稿日: カテゴリー: 協会からのお知らせ, 研修講座

第26回研修講座報告

去る平成28年11月26日、27日の両日に行われた研修講座の報告をいたします。今回は実践論を中心に行われ、それに実践技法も加え、ディスカッションする時間を設けました。

科   目 単位 講 師
26
実践論Ⅳ 身体障害領域 松原豊
実践論Ⅲ 発達障害 松原豊
実践論Ⅴ 生涯教育領域 照屋洋
実践技法 大沼小雪他
27
実践論Ⅰ 精神科領域 鍛冶美幸
実践論  動作観察法 神宮京子
実践論Ⅱ 高齢者領域 大沼小雪
実践技法 大沼小雪他

参加者は15名でその内の10名は初参加で、ダンスセラピーへの関心の高さを感じられました。今回は高校生もいて、将来はセラピストになりたいという志をもっている人で、大変たのもしく、将来が楽しみな方でした。また、遠方から参加する人も多く、海外からの参加もありました。次に各講義の内容を簡単にご紹介いたします。




松原豊先生の身体障害領域では、聾、視覚障害、肢体不自由児についての講義があり、視覚障害については2人組でリードの実践、4人組で背中合わせでリズムを8個間、32個間4方向に歩き、同一に追われるかどうかなど実験的試みなどがあり、非常に興味深い内容で、自分自身のリードの仕方、リズムの取り方の気づきにもつながるようなものでした。

発達障害では、診断に関する現状や障害とは何かについて、事例を紹介しながら丁寧な説明がありました。MR、LD、 ADHD、ASD、これらは果たしてこれは障害か?いわゆる個性じゃなないの?という問題提起をし、【社会的適応が損なわれたときに診断すべき。またこだわりに対してまわりが受け入れるかどうか。障害はその人の責任ではない。周り(社会)が作り出している。】との説明がありました。支援方法では自尊心を高める、身体的意識の育成、知覚・運動の発達支援、リラクセーションなどを紹介いただき、実践ではパーソナルスペース、衝動性を減らす工夫、狭い空間でぶつからないように歩く、加速と減速、制御された動き、などが紹介されそれぞれを体験して学びました。発達障害者へのムーブメントセラピーでは第一人者として活躍している松原先生ならではの講義と実技でした。

実践技法(松原先生)では車椅子はなかったのですが、椅子に座ってのフォークダンス、小道具を用いたスイミーのダンス、楽器を用いたワークを体験しました。参加者からは「楽器や新鮮な音や物を使って動くことで、表現力や創造力が高まると感じた」などがありました。何より常に笑いが起こり、楽しみながら学べるという松原先生ならではの時間でした。

照屋洋先生の生涯教育領域では、中学校の教師をされていたことから、荒れている中学校の生徒たちがどのようにして、思いやりを持ち、勉強するようになったのかを語り、長い年月をかけながら生徒たちが変わっていく様に、感動しました。実践ではすぐに誰かとコミュニケーションとらなければならないゲームが紹介され、あっという間に目標が達せられ、満足感が得られるものでした。また、ちょっと難しいゲームでは思わず失敗して、自分を笑ってしまうというもので、自分を笑うと相手も笑う、笑いは周囲を楽しくしてくれる。だから「失敗することはいいことはいいことなんだ」というお話は、失敗を恐れて緊張してしまう私たちに勇気を与えてくれるものでした。参加者からは「普段、無意識に~してあげる」という見返りを求めてしまうところがどこかにあったと気づいた。ワークでは動いてコミュニケーションをとることで周囲の方との距離が縮まり、『魔法の質問』も実感し、生涯教育についてもっと知りたいと思った」などでした。

2日目は鍛冶美幸先生の精神科領域でした。精神障害、特に統合失調症の人の姿勢や動作について、講師自らがその姿勢を示し、参加者もその姿勢になって動いてみるというものでした。参加者からは、「精神病の人の体を体験することで、動きの制限や見える景色を感じ取ることができ、また配慮を学べた。」「その場をよく観察することが大切。体が硬くても、動かしにくくても、別の部位を動かしてみるとか、少しユーモアを取り入れてみたりなど、色々工夫できることを学んだ。」などでした。講師は統合失調症の姿勢の疑似体験をしている参加者にミラーリングを行い、ミラーリングによる介入はベテランならではの素晴らしい技法に魅せられました。

神宮京子先生の動作観察法では、もっと時間をかけて学びたいと思うものでした。ラバン(Laban)の動作観察・分析法の理論をもとに、moverが目を閉じて思うままに動き、observerが観察、シェアリング。次のステップではそれに加えてfollowerが入り3人組で実践を展開するというものでした。参加者からは、「1つ1つの動きにひとそれぞれ色々な意味や感情があって、それを読み取ろうとする意識することで、moverに近づける気がした。3人組でのワークでfollowerを体験したときにmoverと同じように動くことで、moverを理解しようと関心が高まった。」「共感の難しさを知った。100%相手の気持ちを理解することはできない。自分のフィルターで相手の動作を見てしまうので、まずは自分自身と向き合うことが第1歩だと思った」などでした。

最後に大沼が「オーセンティック・ムーブメント」の体験と伝えてしまいましたが、これは誤りでした。お詫び申し上げます。後日、講師の神宮先生より当日のワークの解説(報告書)を送っていただき、ラバンの動作観察法・分析法の考えであることを教えていただきました。皆様には次号のニュースレターで神宮先生の報告書をご紹介したいと思います。


大沼の高齢者領域では、高齢者たちが積極的にダンスパフォーマンスしている団体を紹介したうえで、ダンスセラピーとの相違を話しました。参加者からは「高齢者たちが価値ある存在としての自覚をもち、今日1日生きて良かったと思える時間が重要である、ということがセッションを通して、実体験できた。」「最初に肩にタッチしてもらい安心したあの時間がとても貴重に思えた。」「1人1人に相対してダンスで働きかけると眠っていたエネルギーも動き出し、自分の存在を認めることができた。」などがありました。

実践技法では、大沼が舞踏を応用したダンスを紹介しました。参加者からは「どんな変な動きをしてもOKと言うのは、どんなあなたでもOKと言われているようで、嬉しかった。」「抑える動き、色々なポーズをとって他の人とコミュニケーションし、一人一人が自由に動いて自分を表現していく参加しやすいワークだと思った。」「一体感があり、不思議な気持ちだった。心と体はひとつなんだと感じつつ、心地いい感情が生まれてた。」などでした。
熱心に受講され、レポートを書いてくださった参加者の皆さまに感謝申し上げます。

なお、次回の研修講座(第27回)は2017年3月11日(土)、12日(日)に決定いたしました。場所は今回と同じ大妻女子大学千代田キャンパスです。詳細なプログラムは後日、HPにUPいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です